GAFA KENBO

strategy 木坂健宣

インターネットがもたらすもの(2)~勝者総取りのルール

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インターネットの第一幕と第二幕

この記事は、下記の記事続編にあたります。

https://www.ifrv.net/kisaka/9481/

前記記事がインターネットの第一幕を中心に解説したものであり、
時代としては1940年(第二次世界大戦)~1990年代初頭の話です。

ここまでは、ネットで収益化云々の前の
主に公的資金を使った軍での運用目的から芽生え成長した
コンピューターおよびネットワーク通信が
インターネットに繋がった話をしておりました。

ここからは第二幕となります。
ネットが「お金になる」ことがわかると
何もかもが全く違った様相を示すようになりました。

そしてGAFAはこの第二幕に登場しました。

Appleの設立年度が古いものの
Facebook以降、ただの1社も
巨大プラットフォーマ―は出ておりません。

Googleは1998年
Appleは1976年
Facebookは2004年
Amazonは1994年

これにMicrosoftの設立を加えても
それは1975年のことでした。

ネットスケープコミュニケーションズ

インターネットの第二幕は喩えるならば
第一幕が貨物列車のスピードと考えると
新幹線並みの猛スピードで進んでいったのです。

それは「収益化」という従来になかった概念、つまり
を生み出すことがわかってきたからです。

その象徴的な人物は、1990年代初めに
WWWに親しむようになったイリノイ大学の学生
マーク・アンドリーセンです。

アンドリーセンは大学内の
国立スーパーコンピューター応用研究所で
プログラマとしてアルバイトをしていました。

時給は6ドルちょっとという感じです。

彼は、バーナーズ・リーの生み出した
WWWには大きな問題があることに気づいたのです。

WWWは今私たちが知っているPC上の
UI(ユーザーインタフェース)と違って当時は
専門家でない限り、とても扱いにくいものだったのです。

そこに、WEB上にカラー画像を表示できる
グラフィックベースのブラウザを開発して
それを「モザイク」と名付けました。

私にはとても懐かしい言葉であり
ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

とにかくこのモザイクのおかげで
アクセス数は1年間で、34万パーセント以上伸びた
とアンドリーセンは成功を確信したのですが
アルバイト先の研究所はその成果を認めなかったようです。

研究所をやめたアンドリーセンに
ある日、当時とても先駆的な企業であった
シリコン・グラフィクスの創業者から
新会社設立の誘いを受けたのです。

1994年に立ち上げたその会社は、その後
インターネット企業の象徴的な存在でもありました。

それが、ネットスケープコミュニケーションズ

ネットスケープ社は、そこから驚異的な速度で
成長を続けました。

当時、世界最強のソフトウェア開発会社であった
マイクロソフトはWEB事業にも乗り出しており
ネットスケープ潰しに乗り出しました。

しかし、ネットスケープはなんとか餌食にならず
IPO(Initial Public Offering 新規公開株)を
見事果たしたのです。

時給6ドルちょっとのアンドリーセンが
弱冠24歳で5800万ドル(約64億円)を得たというので
大変なニュースであると同時に
この成功が多くの人を刺激したのです。

しかし、見方によってはインターネットは
大きなものを失ったのかもしれません。

それまでバーナーズ・リーたち学者が司り
共通のインターネットの道徳や目的意識が
無くなって、それに代わったのが「金」でした。

インターネット=金だという信仰が
一気に拡大し、イノベーションの資金源も
アメリカ政府ではなく、ベンチャーキャピタルへ
移行したのです。

こういう状況の中で生まれたのが
アマゾンであり、グーグルでした。

Winner Take All

ウィナー・テイク・オールとは
早い話が、一人勝ちという世界のこと。

人類の歴史上、とても古くからある
経済観ですが、これはインターネットでも同じでした。

1995年のネットスケープIPO当時は
まだデジタル・ユートピアが真面目に語られていました。

すなわち、グローバル化が進めば進むほど
エクイティ(資金)の分散も生じるという夢物語。

ところがこれは悪夢というかたわごとでした。

インターネットの規模が広がれば広がるほど
各カテゴリーで成功する人はどんどん少なくなる。

これが現実です。

インターネットが広がる前からこういう傾向があったのですが
わかりやすい例がマイクロソフトのWindowsです。
(Mac OSはここでは除外して一般論として考えてくださいね)

消費者は、市場で優勢を占める1位か2位あたりの
商品だけを選ぶ傾向にあるのです。

PCのOSとして、Windows以外にも世の中に
あったはずですが人が選ぶのはWindowsでした。
今もその流れのまま続いています。

インターネットは規模の経済でもあり
勝者総取りのルールが極めてシビアに作用します。

ファーストムーバー・アドバンテージ

勝者総取り思考に、背中を押された人がいました。

すでにアマゾンを設立していたジェフ・ペゾスは
1996年に一部のアマゾン株と引き換えに資金調達を
決心し打って出たのです。

ファーストムーバー・アドバンテージ(First Mover Advantage)
いわゆる先行者利益をお手本として
体現化して見せてくれてるのがジェフ・ペゾスかと。

実際のところ通常の企業活動においても
ファーストムーバー・アドバンテージ
を得るのはほんの一握りの勇気ある人々ですが、
その行動なしには得られないことも
また事実だという教訓を思うばかりです。

以降、今日私たちが知っているアマゾンは
どのような存在か言うまでもありません。

いまやアマゾンは至るところに出現している
独占的ネットワークです。

この独占的ネットワークが牛耳る世界は
動かしがたいほどに強靭です。

GAFAの最後発者であるFacebookが
設立したのが2004年ですが。それ以降
GAFAに匹敵する独占的ネットワークは
ひとつも出現していません。

取って代わることが非常に難しい。
それほどに集積化された強靭この上ない
存在がGAFAであると言えます。

国の政策や体制の都合によって
例えば中国やロシアのように、
一部の独占的ネットワークを遮断するような
大掛かりな判断があってどうにかできるというくらいです。

だからといって、ネットワーク遮断が
利益よりも不利益に繋がると考える人が
圧倒的に多いことも世の習いです。

第二幕のまとめ

今回は、インターネット第二幕として
『収益化』につながる過程を見てきました。

そのチャンスを活かしたファーストムーバーの
うち圧倒的成功者がGAFAということになります。

因みにGAFAの日本法人はすべて株式会社ではなく
合同会社なのをご存じでしょうか?

合同会社は、株式という概念がなく
出資する人がそのまま経営者になります。

株式会社は合同会社よりもランニングコストが
かかるうえに、社会的に要請される事柄が多々あり
一般にはその分社会的信用度が高いと言うこともできます。

ただ、GAFAであれば合同会社であっても
知名度、信用度も申し分ないことは明らかです。

またアマゾン・ジャパンを例にすると
労働組合ができたのは2015年でほんの少し前のこと。

コストと合理性を限りなく追及する
外資の特性から、この労働組合設立にも
大変な努力が必要だったと伺えます。

いずれにしても今現在、私たちの生活や考え、
好み、困りごとなど人間の生存意義に関わることを
自分以上に知っているのがGAFAである
とみなすこともできるかと思います。

巨大プラットフォーマ―が強いのは
私たちのこと(ニーズもクセも好みも)についての
情報をまさに独占しているからに他なりません。

公正取引委員会が危惧している
国内企業はGAFAの下請けに成り下がるという懸念は
国内企業の持てる情報はGAFAが頂点にあるとすれば
そこから下に漏れる一部に過ぎず、根っこを
握れていないからだと私は考えています。

GAFAの話から始まる『ネットビジネス大百科2』の
木坂健宣さんセミナーは本質を捉えていると考えています。

ネットでわずかでも「お金」に関係したい人には超絶にお勧めします。

PS : この『インターネットがもたらすもの』はまだ序盤で続きます。

 

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