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川の流れのように考えると「AI疲れ」も吹っ飛び楽になるかもしれない話

2024年5月2日

この記事はGWの真っ只中に、ようやく2日間ほど休みが取れて
久々にゆったりとした気分で書いております。

関わっているAIシステム関連の仕事の緊急トラブルによって、
予定していたことをキャンセルし、チームメンバーとあーでもないこーでもない
ともともと足りない知恵をひねり出し解決に勤しんでおりました。

人はあれですな、短時間でも集中し脳が本気で汗をかいて一山超えると、
もうあとはビール飲んで、ボーっとするようななかば放心状態になるものですが、
そうなると普段はあまり考えないような事がしんみり浮かんでくることもあります。

そのような戯れ言(ざれごと)を思いつくままツラツラ書いておりますが、
人によっては少しでも気持ちが楽になるようなら幸いです。

川の流れのように考える意味

世の中には、何の利益ももたらさない事について言い合って時間を無駄にするだけ、
という話が多々あります。

例えば自然の摂理に対して、自分がコントロールできないことに感情をぶつけるような話です。

このことを、ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズの副社長でありコンサルタントである
白川 克(しらかわまさる)さんがうまい表現で説明してくれました。

人々の議論を聞いていると、不思議に思う事がある。
それは「議論しても仕方ない、世の摂理」みたいなことの是非について、
結構感情をぶつけ合っていることだ。

僕はこれを「水が高いところから低いところに流れるようなこと」と表現している。
今の社会で具体例を出すと、
・人々は同じ価値なら、より安い商品を買う
・需要が多くなって供給量が同じならば、値段は上がる
みたいなことだ。
基本的に他人の行動はコントロール出来ないんだから、
「なぜ高い方の商品を買わないんだ!」と憤慨しても仕方ないですよね。
やすい商品を買うことに合理性もあるし。

この話を聞いて思うのは、「世の摂理」は自然法則だけではなく、
ビジネスの世界でも同じようなことが次々と起こっているということです。

例えば、日本の雇用形態として長く模範のように思われてきた
「終身雇用+年功序列」制度はどんどんと崩れている状況です。

この制度は、日本の高度成長期(1955年くらいから1973年と言われております)に
たまたまマッチしていたわけで、その意味では非常に合理的でした。

ただその慣習が社会の変化をなおざりにしてずっとダラダラ続いてきましたが、
むしろ労働市場が流動化して要は転職しやすくなった今の時代では、
逆に弊害のほうが大きいと感じる人が増えているのも当然の流れかと思います。

ここで言いたいのは、「終身雇用+年功序列」の是非ではなく
世の中でその制度が廃れつつあるのは合理性をもってそうなっている
という事実を見ることの大切さです。

このブログではネット上で「気づきを稼ぎにする」ことを主題にしていますので、
その流れに沿って「川の流れのように」考えることの重要性を少し深掘りしてみます。

エントロピー増大の法則に従いつつ、一方で抗うのが人間

ネットでの商品販売やアフィリエイトを企画する際に、私はいつもなぜか
エントロピー増大の法則(熱力学第2法則)を思い浮かべてしまいます。

物理化学の法則を思い浮かべてしまうのは、人間の心理、行動が
この法則に従っているように思うこともあれば、逆に抗っているように思えることもあって、
人間とはつくづく不思議な生き物だということを思いつつ何かの企画を考えてしまうからです。

エントロピー増大の法則?
う~ん、どこかで聞いたことはあるかも、くらいの人が大半だと思います。

エントロピー増大の法則とは、
「物事は放っておくと乱雑・無秩序・複雑な方向に向かい、自発的に元に戻ることはない」
という要するに、ほっておくとどんどん乱雑になってしまうという
誰もが思い当たるようなことを示します。

こちらの石川県立大学のYouTubeは、小学生でもわかるかわいいアニメで説明しています。

思うに、人は生まれ死ぬまでマクロ的にみると「エントロピー増大の法則」に
従っているに違いないということです。

私たちは誰でも食べ物を口にし、寝て起きて、あちこち動き回り、ウンチをして生きています。
その状態だけみると、どんどん世界にゴミを撒き散らかして生きているようなものであり、
身体の外の世界は乱雑になるばかりで、つまりエントロピー増大の方向で生きています。

鳥かごに飼っている文鳥も、餌を散らかしながら食べ、そこらじゅうに糞をしている様子も
エントロピー増大の法則に従っているとしか思えません。

しかし人間は社会的な生き物でもあり、時にこのエントロピー増大の法則に抗う行動をする
というのも特徴のひとつです。

人間は快適さや幸福を追求する生き物です。
「楽したい」し「幸せ~!」
を感じたい生き物であることを誰も疑わないでしょう。

そのためにエントロピー増大の法則に抗う行動を起こしたりします。

例えば、部屋がゴミだらけ散らかり放題なのを掃除し整理したり、
美味しい手の込んだ料理を作ったり、
文鳥がそこら中に散らかした餌と糞を片付けきれいにしたり、
慌ただしいだけの日をこれでいいのかと座禅して心を穏やかに整えたり、
こういったことはすべてエントロピーを小さくする行動です。

人は秩序を保ち、自分や周囲の環境を整えることで、快適さや幸福を感じる生き物です。
このことを解剖学者の養老孟司さんは「脳化社会」と呼んでいます。

現実は千変万化して、私たち自身も常に変化していく存在なのに、
情報が優先する社会では、記号のほうがリアリティを持ち、身体性がないがしろにされてしまう。
そのことを指して私が創った言葉が「脳化社会」でした

文春オンライン:《養老孟司×成田悠輔》都市とネットから逃れられない人間の末路は?より引用

養老孟司さんはヒトの脳が求めるものは「都市化」だとも説いています。
実際そうだなぁ~と感じるのは、森や林の中を歩くと心も落ち着いてきますが、
アマゾンのジャングルではそうはいかずむしろ不安と恐怖に襲われるのが見えています。

あくまで「人の手によって管理された」森や林にゆったりとした気持ちになり、
山岳路でも人が整備した道のほうが安全で安心を感じ穏やかになれるし、
都市の中に木があって美しいと感じるのもあくまでそれは整備されているからだと思い至ります。

このエリア一画にて(東京駅近く)でAIの仕事中です

自然の法則では、ほっておくとエントロピー増大の方向に向かっていくのに
人間の脳はそういった乱雑な方向を嫌がるようにできているみたいですね。

ここで何を言いたいかというと、ネット上で何らかのオファー(商品販売やアフィリなど)
をする場合にもエントロピー増大の方向ではなく、縮小させる方向で行うのが
脳が喜ぶことになる、ということ
です。

つまりネットを使ったビジネスでは、
情報を乱雑なままに提供してはいけないということです。

情報をしっかり自らが管理、納得できる状態にして提供するほうが
はるかに情報の受け取り手にとっても親しみやすいということです。

脳が喜ぶことは、その先の購買行動に自然に結びつきやすくなるのは言うまでもありません。

生成AIに過剰な期待をする危険性

まさにその脳の神経細胞機能を模して人工的になんとかできないかと
作ったのがAI(人工知能)となります。

AIの歴史は1956年頃からと言われ長いですが、
ChatGPTの爆誕で広がっている生成AIについては
まだ2022年終わり頃からに過ぎません。

私は比較的長い期間(といっても10年程度)、主に自動運転分野での
AIをいじくってるチームと机を並べてきました。

バリバリとコードを書く時代ははるか昔に終わっており、
後ろから手を動かさず文句を言うだけの嫌な奴、が私の役割です。

さて、流行りの生成AIの話題です。

2024.5.1の読売オンライン記事では、自治体がゴミ出しの問い合わせにChatGPTを使って
正答率が届かず時期尚早との話が出ていました。

ゴミ出しの問い合わせにAIが架空の部署案内、正答率は目標に届かず「市民向けには時期尚早」 : 読売新聞
ゴミ出しの問い合わせにAIが架空の部署案内、正答率は目標に届かず「市民向けには時期尚早」 : 読売新聞

【読売新聞】 瀬戸内海に面し、製造業や農業が盛んな香川県 三豊 ( みとよ ) 市。環境衛生課課長補佐の岡崎英司さん(51)は昨年11月、役所のパソコン画面を見て、嘆息した。 視線の先には、実証実験中 ...

www.yomiuri.co.jp

まぁ、そりゃそうだろうと思いました。
ゴミ出しで問い合わせした人の気持ちとしては正答率は限りなく100%であって欲しいし、
そこを間違ってしまうとゴミを出した後の対応も面倒です。

しかし学習データが不十分な点もあるように感じますが、この記事で伝えているように
『住民サービスには正答率が高くなければ簡単には導入できない』のは常識的に理解できます。

なにしろ生成AIではChatGPTに限りませんが、堂々と答えてくるので
ついつい信じてしまっておかしくありません。

ハルシネーションといって「ウソを堂々と言う」生成AIの特徴でもあるのです。
(もっとも生成AI自体はウソを言ってるつもりはなく、単に推論結果を示しているに過ぎません。)

私のこの記事をご覧いただいている方はおそらくネットで何とかしたい、
或いは現にそうしているかのどちらかだろうと推察しており、
いわゆるITリテラシーが世間一般に比べて高い方ばかりじゃないかと思います。

そういうなかで、例えばChatGPTの(APIを使ってできた)ツールが
最近は各社から出始めています。

こういうのに飛びつく人が多いこともわかっているからですが、
同じChatGPTのAPI経由でしかないため、エンドユーザへの見せ方は異なっていても
性能面では優劣ありません。

ChatGPT(AI)による自動記事生成
→コピペしてアフィリ記事にする
→その結果、何もしなくてもアフィリ報酬になる(はず)

というものですが、最初に言っておきますと
これ完全に「幻想」です。

コピペしてアフィリ記事にするのは勝手ですが、
それによって「アフィリ報酬」が得られるかどうかは
まったく別次元の問題なのです。

なぜならChatGPTという生成AI(厳密にはLLM=大規模言語モデルと呼ぶ)は、
しょせん次に来る言葉を推論しているに過ぎず
人の感情(怒り、悲しみ、喜び、屈折した心など様々)や
人の経験(例えばアフィリ商品を実際に使ってみてわかった感覚的な事など)
をその文章に入れるのは今の技術ではまだまだ遠いからです。

これは無料版のChatGPT3.5でも有料版のものでも一緒です。

では現在いろんな会社からリリースしている
ChatGPT有料版のAPIをうまく使ったアプリで記事生成などが
実際に使えるかというとそのまま使えますが、
それではたぶん売上には結びつかないでしょう。

やはり人による記事ではないことをWebサイト見た人が
敏感に感じ取れるのは、こういった感情や体験による
微妙な話、正直な体験話、自由に機微に富む話などが無いため
不自然に感じられるからでしょう。

実際、価格ドットコムや様々な商品レビューサイトのコメント欄で
AI生成記事を貼り付けている方をたまに見かけますが、
私は見た瞬間にわかるので即座に無視して他の泥臭い記事を探しています。

整い過ぎている、抑揚があまりない、
文章の書き方が統一され過ぎている、
AIが作ったのがわかるので真実のレビューとはほど遠いウソ記事だとわかる、

よって面白くもなんともないからです。

生成AIが丸ごと作った文章をただコピペするだけ、場合によっては
サイトもついでに自動生成させるようなツールがあれば、作り手の立場では便利ですが
意識せずともネットにウソをまき散らすことに加担している可能性が大きくなります。

そんなの知ったことではない、というのが
まるまるChatGPTのアウトプットをコピペ記事ですが、実際のところ
昔からポチポチと人が書いたように見せかけて記事を作るツールも存在していました。

これらのツールはChatGPTの出現によって無価値となり淘汰されましたが、
物販アフィリエイトの世界では、丸ごとコピペでもつい騙される人もいるため
何を言ったところでやる人はやるでしょう。

ChatGPTのアウトプットを最初は推敲、チェックをやっている人も
次第にそれが面倒になって、だんだんと任せきりになるのは人の常です。

この結果、ネット上にゴミをまき散らすわけですから、
これもエントロピー増大の法則からするとある意味自然な流れなのかもしれませんが、
問題はこれによって被害を受ける人が必ず出てくるということです。

生成AIが勝手に作った記事にはハルシネーションが混じっていて、
それを弁別せずに垂れ流し状態にすることは、
ネット上で無責任に有害ゴミを拡散することと同じだと思っています。

その有害ゴミで被害にあう弱者が出てくることがほぼ確実。。。
それがわかっていて、なお有害ゴミをばらまき続けるのか?
と自問すると、「否」と心が答えてくれます。

AIの開発現場にいると生成AIのアウトプットを丸ごと垂れ流しで使うことの危険性に
とても敏感になるものです。

ああ、言い忘れておりました。
厳しい機密保持契約があるため詳しくは言えませんが、
私の関わる自動運転でのAIの世界、特に国内で車を作る会社に共通していますが
開発するときにChatGPTは完全利用禁止です。

車会社の企業内でセキュリティを担保された固有の専用ChatGPT
というのはありますが(その企業が管理している環境、特定の利用者のみ使うことができます)
一般に公開されているChatGPT(有料無料に関わらず)は利用禁止です。

一般利用が万一バレたら、懲戒免職の対象となるだけではなく
場合によっては個人にも巨大な損害賠償が押し付けられるほどです。


因みに私の「AIアシストアフィリエイト」では、ChatGPTのまるまるコピペには非常に気を配っていて
あくまで生成AIは支援とし、一方で利用者の気づいていないことを発見できる道具、
としての活用を主眼に置いています。

生成AIの召使いになるのではなく主人になる、ということです。

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