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ChatGPT vs Geminiはどっちが上か?で騒ぐのは無意味な理由

2023年12月24日

2022年11月にChatGPTがリリース開始となり、その後この種の
LLM(大規模言語モデル)は生成AIと称され爆発的に広がりを見せています。

2023年12月にはGoogle BARDに新兵器が搭載され(=Gemini Pro)、
これによってChatGPTとの比較論争が起きているのが今の状況です。

因みにGeminiは、英訳では『ふたご座』になりますが
どういう意図で命名したのかはわかりません。

もともとAI王者はGoogleだった

そもそもOpen AIがリリースしたChatGPTに、
AIに関してGoogleの天才的なエンジニアが参画していました。

詳しくはこちら(↓)で記事にしています。

モヤ~っとしたOpenAIのお家騒動から世界初の不思議な企業統治を図解してみた - インフォレビュー(INFOREVIEW)
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www.ifrv.net

私はChatGPT以前はAIの先行開発という意味では、
Googleがいつも先を歩いていたように理解しています。

誰もがおなじみのGoogle検索や、YouTubeなどでも
AIが誰にも負けないくらい仕事をしているのを知っていました。

つまり、ChatGPT前はGoogleこそがAIの王者でした。

AIに強い企業としてGoogleを含めた
GAFAMという5社が今の時代をけん引していました。

その昔、GAFAMと呼ばれたITテックは今は
マグニフィセント・セブンと2社ほど増えていますが
そのあたりの事情をこちら(↓)に記事化しています。

AI時代はGAFAMから「マグニフィセント・セブン」へ~自動運転のルールとプログラムも人間不要に!? - インフォレビュー(INFOREVIEW)
AI時代はGAFAMから「マグニフィセント・セブン」へ~自動運転のルールとプログラムも人間不要に!? - インフォレビュー(INFOREVIEW)

GAFAMから『マグニフィセント・セブン』と定義が変わっている時代に、TeslaやNVIDIAの飛躍がどのようなものかを解説

www.ifrv.net

Open AIはどこ?

と思われたかもしれませんが、
莫大な投資をしているマイクロソフトが親分と言えます。

もちろん、マイクロソフトはGAFAM時代からなんとかして
Googleに勝ちたいとあの手この手で戦ってきました。

ChatGPT vs Geminiの行方

ChatGPT vs Geminiとは、外からみると
Open AIを抱き込んだMicrosoft vs Google
という熾烈な戦いを表しています。

Gemini(具体的にはGemini Pro)が搭載されたBARDと、
ChatGPTはどっちが勝ち?
という論争はほとんど意味がありません。

まだまだ決着はついていないからです。

ChatGPT vs Geminiとは、現時点(2023年12月)の技術的な面では
ChatGPT4 vs Gemini Proのことになります。

ですが戦いはこれからです。
こちらの図をご覧ください。

どちらが先になるかもしれませんが、2024年には
ChatGPT4.5とGemini Ultraのリリースが予定されているようです。

それでもちろん終わりではなく、おそらく延々と強力な生成AIが
次々と出てくるでしょう。

MicrosoftとGoogle以外にもマグニフィセント・セブン
と呼ばれる企業はどこも必死にこの生成AIでの覇権を目指していると言えます。

ただし、重要なことは各社のLLMがいかに競っても
現時点ではChatGPTが圧倒的に市場では優勢です。

なぜか?

理由は簡単で、今まで作られているLLMアプリケーション
99%がOpenAIのAPIの上に作られているからです。

その意味では元王者であったGoogleは下手を打ちました。

Googleは度重なるサービスの中止によって、
APIを含む開発者たちの信頼を失ってしまったことが問題の根っこにもあります。

さて、この戦いはどうなるか見ものですがここで言っておきたいのは、
あれが出たこれが出たと一喜一憂しても無意味だということです。

要するに今のAI業界、
いたちごっこ
なのです。

今日の勝者が明日の敗者に、またその逆もしかり、
というのがAI業界では日常的に起こっていることなのです。

つまり今日の勝者は明日、別の勝者に上書きされる状況が
まだまだしばらく続くと予想できます。