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コンテンツビジネスでも重要~政府がキエフ呼称を「キーウ」に変更の奥深い意義

2022年4月1日

2022年3月31日、政府はウクライナ首都の呼称を
ロシア語発音の「キエフ」からウクライナ語発音に近い「キーウ」に変更したと発表しました。

現在進行中のロシアによる侵略を鑑みて、ウクライナを尊重した妥当な判断かと思います。
ついでながらロシア語読みの「チェルノブイリ」もウクライナ語の「チョルノービリ」と変更したそうです。

ただ、これは呼称が変わったということ以外に・・・

あなたがもしネット上で私と同様にコンテンツビジネスをやっている、もしくはやりたいなら、
その奥に隠れた意味をもっと考えて決して損ではありません。

これはあくまで、
コンテンツビジネス=「言葉」を駆使するビジネス
でもあって、言葉を大切にする、言葉に敏感になることが
ある意味、求められる資質としてもとても重要だからです。

この意味を私の体験も踏まえて具体的にお話したいと思います。

通じると思った言葉が「通じない」

私ごとですが、何年も前の話になりますけど仕事で
オランダのアムステルダムへ出張に行ったことがありました。

オランダ語については、残念ながらさっぱりわかりませんが
現地では幸いなことに、私の下手な英語でも何とかコミュニケーションできました。

オランダ人は・・・私が仕事やカフェで会った人は例外なしに英語を喋れました。
聞くと、オランダは世界で第3位の英語力とのことで、小学生から勉強してるという話。
その辺のおじいちゃんおばあちゃんに話しかけても、英語で返ってきてビックリでした。

出張中に休みが取れた日に、念願だった「ゴッホ美術館」に行くぞ!
と気合い満点で、英語通じるし道順等もきっと聞けばわかると、
軽い気持ちで宿泊してたホテルを後にしたのです。

のどかな風車と跳ね橋のある通りを歩いているうちに、道に迷い
近くのはずのアムステルダム中央駅にたどり着けません。
(ゴッホ美術館はアムステルダム中央駅からトラムに載って10分くらいの所)

犬の散歩で歩いていたおじいさんを見つけ、尋ねてみました。

ゴッホミュージアムに行きたいんですけど」と。(因みに英語です)

ところが何度、ゴッホ、ゴッホと言っても通じません。
あの有名な画家の名前を知らないはずがない。。。
おかしい。。。

何度も何度もやりとりするうちに、おじいさんが
「ホッホ?」(ホッホもしくはコッホのように聞こえました)
と言い出して、「!!!」と気づき
「それそれ!」
とやっと通じたのです。

そうか、「G」の発音はここでは英語読みで濁る発音じゃないんだ。。。!
と初めてそこから現地の言葉を少し学ぶ気持ちになったのです。

実際、こちらのゴッホ美術館の紹介動画において、
英語で説明している女性はおそらくオランダの方でして
Goghの発音は、ゴッホではなくホッホに近いです。
(ゴッホが自分の耳を切り落とした話です)


この体験で同時にひとつ学んだことは・・・

思い込みで通じると思う傲慢さを恥じて、
少しでも勉強する時間あったのにサボったのが良くなった、と。

ロシア語発音の「キエフ」を使うことのリスク

ロシア語読みのキエフをウクライナ語発音のキーウにすることに
私は大賛成でして、それには明確な理由があります。

あなたや、あなたの家族、友人、恋人、或いは仕事仲間と
海外に出かけそこで英会話の中にロシア語発音の「キエフ」を混ぜると
思ってもみないしっぺ返しを食らうリスクが高いです。

こう思っていた矢先に、ちょうどニューヨーク州弁護士の湯浅卓氏
同じ趣旨の発言をされていましたので引用します。

今後世界に出かける日本の市民たちが、
英語にロシア語発音のウクライナ首都名を混ぜて英会話していたら、
恐ろしい誤解を生みかねない。
そもそも海外ではヘイトクライムもある中で、
海外を旅行する英会話常識にロシア語発音に依拠するウクライナ首都名の呼び名を
深層心理に植え付けていたら、起こさないでいい日本の市民への海外の人々の反感を煽るだけだ

https://news.yahoo.co.jp/profile/commentator/yuasatakashi/comments

例えば、あなたの子供が海外で英会話のなかに
「キーウ」ではなく「キエフ」とロシア語由来の首都名を混ぜるだけで
いじめやそれ以上のリスクを招きかねないということです。
(※海外という意味は、ロシアの侵攻に批判的な大半の国々のことです。)

言いたいことは、これまで何の気にもしなかった言葉が
ふとしたことで災いに繋がることになりかねないということ。

一見、単に呼び名がキエフからキーウに変わる、
というだけで通り過ぎてはいけないなと思いました。

ウクライナ国歌である「ウクライナは滅びず」
というこの一言だけでどれほどの深い歴史と思いが
こめられているかをあらためて最近痛感しました。

余談ですが、横濱シスターズの歌うYouTubeでのウクライナ国歌、
なんとも素敵です!
何が素晴らしいか・・・コメントの多くがウクライナ語。
ウクライナの人々を癒し、応援する、こういう支援の有り方もあるのだなぁと。


今、この記事をご覧になっているあなたがネット上で
特にコンテンツ(=言語を扱うという意味で)を扱うならば
言葉に対して繊細な気配りが必要だと思うのです。

私自身、自戒を込めて忘れないように記事化しました。