転売の心得

BLOG covid19

コロナ禍のテレワーク時代にマスクとWEBカメラの「転売」は何が違うのかを考える

2020年4月25日

世によく言われる「転売ヤー」の「ヤー」部分が
しっくり分からない方もいらっしゃるかと思いますがこれは
転売屋とバイヤーを掛け合わせた単語です。

当ブログでは、と言いますか私自身はひたすらに
コンテンツビジネスを追求し且つお伝えしていますが、
転売ビジネスも特に初心者さんにとってわかりやすく
成果も出しやすいためにむしろおススメしてきました。
(いわば価格差を利用した仕入れ・販売の基本だからです。)

 

現在、新型コロナウイルスの影響で
「マスク転売」は禁止となりました。

少し時間が経って、国内でも感染者の急増に伴い
ソーシャルディスタンスという今まで聞いたこともない言葉が
私たちの生活に忍び込み、今この時期には感染予防の点でも
極めて重要なキーワードとなっています。

ソーシャルディスタンスが重視されると今度は
テレワークのススメという今の世代に生きている人にとって
誰もが経験したことの無い次元に突入しています。

そうすると、テレワーク環境に必要なモノやツールに
注目が集まり、一気にそういったテレワーク環境のニーズが
沸騰しているのが、この記事を投稿している時点の様相です。

そのニーズとは、例えばWEBカメラ、マイクなどであり
これらはAmazonや楽天でも、ましてや家電量販店でも
メーカー直のオンライン販売サイトでも入手が難しくなっています。

 

で。。。

マスクと、WEBカメラなどの転売では何が違うのでしょうか?

ここには厳然足る線引きがあるように思います。
その線引きが何なのかを読み解いていきたいと思います。

 

マスクとWEBカメラの価値。何が違う?

まず現状を冷静に見てみましょう。

国内に限らずですがほとんどの人々は、超大企業まで含め
未来を展望することさえできていません。

人は皆、自分と家族、大事な人たちの
健康と命をどう守ればいいのかで精一杯なのが実態です。

違いますか?

 

ここでマスクとWEBカメラを比較対象にして、
それぞれを法規制は一旦横に置いて何がどう違うのか
掘り下げてみたいと思います。

 

マスクは「生活必需品」に変化した。

マスクが転売だけではなく、普通にアフィリなどで
ガンガン売れた時代は10年以上前にもありました。

インフルエンザなんかで季節的に集中して売れる時期が
わかりやすく、そのためにあらかじめ準備も出来ていました。
(アフィリやドロップシッピングなんかで)

ただその時代のマスクニーズと今とでは性質がまるで
異なっていると思います。

過去のマスク転売或いはマスクのアフィリエイトでは、
いわば需要と供給のバランスがそれなりに取れており、
言うまでもありませんが社会不安をもたらすような
状況ではありませんでした。

いわば、平時の転売であって
マスクをいくら高く売ろうともそれに
目くじらを立てる人はほぼいませんでした。

高い価格でも買う人は買う(かもしれないし)
買わなければそれはそれで仕方ない、
といった社会通念がありました。

 

その後、コロナ問題の深刻さによる恐怖から
マスクは一気に市場から失せました。

社会は平時から緊急事態宣言の発布される
非常時に一気に変化しました。

2月以降は、ドラッグストア開店の1時間から1時間半前には
行列ができ、それでも手にできた人は幸いで
未入荷の日々が続くという状況になりました。

今ではドラッグストアも開店時間にマスク販売も
自粛するようになり、行列を作って買い漁る人も
とりあえずいなくなりました。

それでもマスク問題は解消されず現時点でも
なかなか見つけることはできません。

シャープは自前のクリーンルーム工場と優れた技術を生かして
家電メーカとして初めてマスクを販売開始しましたが
ネットアクセスが集中し、1枚も販売できないまま抽選販売へ。。。

マスクは少なくとも飛沫感染など他人にうつさない
という点での予防効果はあり、言えることのひとつは
私たちにとって生活必需品として
健康面でのマストアイテムに位置付けられるようになったことです。

衣食住という生存のために欠かせないアイテムと同列に
なければ生存の危機にさらされるというほどに
誰にとっても必要不可欠なアイテムとなりました。

またアルコール消毒液などもマスクに準じて
コロナの予防対策としてある意味必需品となりました。

因みにシャープのマスクは以下のように
1箱(税抜き、送料別)で2,980円、お一人様1箱となっています。

マスクの抽選販売に関するお知らせ:株式会社SHARP COCORO LIFE
マスクの抽選販売に関するお知らせ:株式会社SHARP COCORO LIFE

シャープ株式会社で生産いたしますマスクの販売に関する情報をお知らせします。

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コロナ前は、マスク50枚でも1,000円しなかったと思います。

良心的なマスク生産・販売者によるもので
現在やはり50枚くらいでは2,500円以上が相場かなと。

世界的なニーズにより、原材料が高騰しており
これでも以前にヤフオクやメルカリでのマスク転売価格に比べると
破格的に安いと言える状況です。

 

 

WEBカメラは「必需品」?

さて、テレワークが広がるにつれ家にいても
他人とコミュニケーションができる環境やデバイスの
ニーズが集中するようになりました。

SkypeやZOOMといった便利なツールを使うには
最低限、マイクとスピーカー(またはヘッドホン、イヤホン)が
必須となりますが、ヘッドホン(イヤホン)を除いて
初めからセットになっているPCも多く出回っているので
最初から道具の面では困らない人もいるでしょう。

その前に、PC自体が無い、または社給品が無い、使えない
などという人も多く、そこから用意しなくてはならないことから
PCそのものも特需状況になっているようです。

一方で、カメラの無いPC、自宅にいてスピーカーではなく
ヘッドホンの利用が欠かせない人もさまざまな理由で多くいます。

こういうニーズのひとつに外付けのWEBカメラがあるのですが、
1,000円程度のものから、数万円程度の本格的なものまでいろいろです。

Amazonほかメーカ直販のECサイトなどを調べると分かりますが、
これらも欠品中、もしくはコロナ前の価格より大幅に値上げした商品が
陳列されていることにお気づきになるはずです。
(ここに出ているのが今のところ、転売目的の商品です)

 

いずれにしてもSkypeやZOOMなどでカメラを利用する
シーンにおいてPCに内蔵されていなければWEBカメラは必需品です。

ただWEBカメラにはピンからキリまであり、
何を選ぶかはその人の考え次第です。

それにわざわざ購入せずとも、実はスマホのカメラを
ZOOMなどでのWEBカメラ代用にする手段もあるわけで
カメラ自体は代替品を含めていろいろやりようがあるのですね。

高値で販売(転売)されているWEBカメラを
使う使わないの判断もその人次第であって、
テレワークのために必要という考え方はあっても
生活必需品とは言えません。

要するに、無くても死ぬことはありません。
生存の危機にさらされるリスクはどう考えてもありません。

この点がマスクと決定的に異なります。

しかもその価値観は、現状を鑑みて
多くの人々が共有している点でも
マスクとWEBカメラでは意味合いが違うと言えるでしょう。

 

 

「弱み」につけこむのと「満足度」をアップする転売の違い

マスク転売は禁止となりましたが、そもそも私見として
この転売は非難されても仕方のないことだと思っています。

禁止前にマスク特需で稼いだ転売ヤーもたくさんいますね。

それでなんぼ稼いだといったところで、
社会的には非難され、蔑まれていると考えます。

家族や親しい人に、マスク転売で稼いだ
と自信をもって堂々と言えないのが普通です。

いろいろな意味でこのマスク転売は
「人の弱みにつけこむ」商売であって
日本人のもつ価値観・倫理観として相容れないものでした。

中国のことわざには、「打落水狗」すなわち
「池に落ちた犬はたたけ」というような
窮地に陥った者をさらにやりこめる考えもありますが
日本人としてすんなり同意できる人はあまりいないでしょう。

つまり、マスク転売はそもそも
倫理的にやってはいけないというか、そのことに
抵抗感を感じない転売ヤーへの非難でもあったのだと考えます。

 

ところがWEBカメラでは事情が違います。

弱みにつけこむというよりは、
人それぞれの価値、満足度に訴求する
ある意味、贅沢品の一種なのです。

それでも高すぎるという人は買わなければ
それで済むというような代物です。

ここでひとつ実際の例をご紹介しましょう。
WEBカメラを例にしたのも、私のPC付属のカメラが
洗浄してるときにレンズがおかしくなり仕方なく
外付けWEBカメラを探してこの分野にやや詳しくなりました。

せっかくなので、WEBカメラのうち
最新且つ高額の優秀商品を例にしてみます。

以下は、株式会社ロジクールが4月23日に
プレスリリースとして出した内容です。

高画質ウェブカメラ 「ストリームカム C980」リリース記事。

Newsroom | Logitech
Newsroom | Logitech

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この商品はパーソナルユースとして手に入る
WEBカメラでは機能・性能面でNo.1だと思います。

こちらのロジクールの商品ページをご覧になるとどれだけ
優れた商品なのかもおおよそ理解できます。

AIによるオートフォーカス、通常30ps(秒間のフレーム数)に
対して60psと極めてなめらかで、ZOOMなんかではオーバースペックというレベルですが
YouTuberとして利用するなら非常にキレイに録画もできて最高品質です。

通常PCについているカメラに比べると
PCモデルによりますが雲泥の差だと言えます。

プレスリリースをご覧になるとお分かりのように
同社のECサイトであるロジクールストアでは
20,350円(税込)です。
(現在、ロジクールストアも当然ながら”欠品”となっています)

びっくりするほど高額!
と思う方がほとんどかと思います。

ところがこれをAmazonでStreamCam C980を調べる
日々価格が変動しているのですが
4月24日時点ではこうでした。

アマゾン StreamCam C980GR

4月23日時点では、実は45,000円で横並びだったのですが
4月24日になって、39,800円で提供する人が出てきたら
それに合わせるようにいくつか提供され始めています。

つまり、他者の販売価格もちゃんとウォッチしながら
競争価格を維持している様子も伺えます。

それでも39,800円ですよ!
定価の2倍の価格で販売ですが
ロジクール社のWEBカメラはもともと人気が高く
旧モデルでも同レベルの価格で提示されているものがあるほどです。

これを見て、なんてひどいことをするんだ!
と思う人ももちろんいるでしょう。

ただ、これは私の感覚では通常の転売モデルの
範囲に入っていて金額はともかくさほど違和感がありません。

欲しい人はそれで買えばいいし、
高すぎると思う人は買う必要はありません。

選択肢はいくらでもあり、他の手頃な商品を探すことも
もちろんですが、このモデルにこだわる
必要不可欠な理由は一般には薄いでしょう。

ただ、マスクが同じような価格で出ていたら
やっぱり腹立ちますよね?

あくどい奴
ときっと思うはずです。

 

これから転売、アフィリを狙うとしたら
オンライン〇〇〇
といったようなことに結びつく案件は
ニーズが高まるでしょうけど、普通のモノウリは
広告主が減ってくるでしょうから、そこも注意ですね。

 

まぁこういう細かな話はさておいて
言いたいことはこういうことです。

私たちが生きている時代背景、置かれている状況、
世間一般の人が社会通念として共有できる価値感や倫理観
・・・こういったことをどう考えるのかという常識
転売やるならしっかりと自分自身で判断してやるべきだということです。

こういった常識は、実は住んでいる国や時代、
社会情勢などによっても変化するものです。

その常識に敏感にならねばなりません。

どんなビジネスでも、常識というものを
基本にしていないと淘汰されると考えます。

それは売り手と買い手が同じ常識という土俵に立って
それを暗黙のうちに両者が共有できているからこそ
取引ができる、というシンプルな原則に従っているからですね。