この記事は、2026年秋のリリースを目標に企画を進めているKENBOの新商品、
仮称「MIRA(ミラ)」の予告でもあります。
MIRAは、My Intelligent Role Agents。
直訳すれば、「自分のために、それぞれの役割を持って動く知的なAIたち」といった意味合いです。
ただ、私自身は「MIRA」という響きに、「未来」や、自分を映すMirrorのようなイメージも重ねています。
今回設計しているものは、AIの使い方を説明する教材ではありません。
やりたい仕事を伝えると、自分の考え方や感じ方まで理解したAIチームが、その仕事を完成へ進めてくれる。
そんな「AIとの仕事の未来」を、いま形にしています。
いきなりAIチームと言われても、「それって何?」と思いますよね。
そこはあとで説明しますが、まず今回のMIRAを考えるきっかけになった、私自身の実験からお話します。
「自分を理解するAI」は、どこまで本人になれるのか
AIに私自身のさまざまな記事(ブログ、note、無料レポート)をいくつか読ませて、
「私はどんな文章を書く人に見える?」
と聞いてみました。
返ってきた答えを見て、ちょっと驚きました。
・・・かなり見ているな。
正直、そんな印象でした。
自分では意識していなかった文章のクセだけではありません。
ものごとをどう考える傾向があるのか、何を大事にしているのかとか。
よく見てんな、こいつ!と思わず膝を叩きました。
さらに細かく言うと。どんなところでは言い切り、
逆にどんなところではタメや空白を残すのか。
そんなところまで指摘されて、
「ああ、言われてみれば確かにそうかもね」
と思えるところが結構ありました。
ちょっと、クスっとしました🙂
AIで記事を量産する、という考え方はそもそもNGです。
AIぽいゴミ記事が溢れるだけで。見る人は敏感に作者がAIかどうか察します。
では、そのAIに自分のことを教えて記事を書かせれば、そのまま自分らしい文章が出てくるのか?
この手の話題も事欠きませんね。
何事も検証してみないとわかりません。
で、やってみました。
ところが、
「いや、自分ならこうは書かない」
が結構出てきたのです。
「理解する」と「らしく書く」は全然違う
AIは整理するのが得意です。
こちらが少しまとまりのない話をしても、論点を拾い、順番を整え、かなり読みやすい文章にしてくれる。
これは明らかにAIの強みであり、多くの方が体感しているでしょう。
ところが、本人らしい文章を書かせるとなると、それだけでは全然足りない。
人間は頭の中で、いつも綺麗に考えているわけではありません。
えーっと、いったい何を言いたかったんだろう。
いや、待てよ、こういうことだったか。
それとも少し違うのか……と考え直したり、さっき言ったことを別の言い方でもう一度話したりする。
その間にも、昼飯は何にしようかな?とか、ああそうだ、交通ICカードチャージしないと、とか😅
話がちょっと横へそれることも1日の中で何回あるかわかりません。
人の頭の中では、考えがパッと浮かび、次の瞬間には泡沫のように消え去る。
そういうことが生きてる間、ずっと続いています。
AIからすれば整理して削りたくなるところでしょう。
でも、一見ムダに見えるそんな部分に、その人らしさがにじんでいるんじゃないか。
実際、不合理の塊のような人の思考の流れにそう感じるのです。
例えば、この記事をご覧の通り、見出しをいくつかつけております。
私は文章には見出しを付けたいほうです。
何の話をしているのか、読んでいる人には分かったほうがいい(と思う性格)。
ただ、その見出しの中まで教科書のようにきっちり整理してしまうと、どうも違うと思い始める。
構造は分かりやすくしたい。でも、その中では人がそこで考えながら話している感じも残したい。
単に「私の文体を真似してください」と頼むだけでは、こういうところまではなかなか出てきません。
実際に試してみるとすぐわかりますよ。
これだけでは全然足りないのです。
大切にしているのは文章の「転」
最近は、自分の文章や知識、経験、考え方などをAIに覚えさせ、
「自分の分身」を作るという考え方もあります。
これは面白い発想ですし、実際今のAIならかなりのところまでできます。
ただ私は今回いろいろ試していて、もう少し違うところに興味を持つようになりました。
その先のことです。
語尾や口調を似せるだけでは、本人にはならない。
それだけじゃまったく足りない。
ある出来事があった。
そこで自分は何を感じたのか。世の中ではこう言われているけれど、自分はどうも納得できないとか、逆に妙に腹落ちしたとか。そこから何を考えたのか。
私が好きな文章論に、起承転結では「転」が大事だ、という考え方があります。
事実を説明しただけでは、その人の文章にはならない。
その事実を自分がどう受け取り、そこから何を考えたのか。そこに自分の言葉が出てくる。
この考え方で参考にしているのが、近藤康太郎さんの著書『文章は、「転」。〈自分の言葉〉で書く技術』です。長く新聞記者として「文で伝える」という難しい仕事に向き合ってきた人が、それでも自分の言葉で書くにはどうしたらよいのかを掘り下げています。
近藤康太郎さんの話は、こちらでも記事にしておりまして、私にとって文章を書く先生です。
>> 沈むコンテンツ発信者を引き上げる宝本~近藤康太郎「三行で撃つ」と「ワーク・イズ・ライフ 宇宙一チャラい仕事論」
私はこの「転」という考え方に、かなりしっくりきてます。
だったらAIが本人を理解するというのも、よく使う言葉や文章の形だけではなく、その人が何を感じ、そこからどう考えが動くのかまで分かって初めて意味があるんじゃないか。
そこまで掘り下げて初めて、「自分を理解するAI」の鍵のようなものがあるんじゃなかろうか。
そう思うようになったのです。
そしてMIRAで試している「本人理解」は、まさにそこです。
自分を人柱にして、何度も書かせてみた
今回の商品を考えるにあたり、まず自分自身を人柱にしました。
過去のブログ、note、無料レポートなどをAIに読ませ、「私はどういう文章を書く人に見える?」と分析させてみました。
意図的に書き方も変えているので、一見バラバラですが紛れもなく書いたのはKENBOです。
すると、実体験から考え始めることが多いとか、難しい話でも一度「要するになに?」と考え直すとか、最後は自分の感想だけで終わらず「だったら、こんなふうに使ってみては?」と読者へ何か提案したがる、といった分析が返ってきました。
言われてみると、かなり当たっている😆
そこで今度は、その理解をもとにして実際にnote記事案を書かせました。
ところが最初の文章では、内容そのものは合っているのに違和感がある。
短い文章を同じリズムで綺麗に並べたり、何でも分かりやすく整理したりする。
タイトルも少しおとなしい。見出しもありませんでした。
確かに書き方は似てるけど、何かおかしい。
そこでAIに自分ならこうしてる、きれいな書き方じゃないけどこうしてる、
という指摘を行いました。
具体的には;
「私はそんなふうには並べない。途中で『いや、こうかな。それとも……』と考え直しながら書くことがある」
それに「小説でもない限り、見出しは付けたい」
「タイトルも“それでも結構助かっている”では弱い。
“地味だけどこれは使える!”くらい、読者へ直接伝えるほうが自分らしい」
「最後も感想だけで終わるより、だったらこう使ってみては、と提案する」
そんな修正コメントを返して、もう一度書かせる。
すると次は、同じ内容でも考え直す感じや言い直しが文章の中に入ってきました。
これでかなり自然になってきましたが、あと少しという感じ。
さらに修正すると、今度はKENBOの書き方、考え方では、
「大きな構造は見出しできちんと整理する。でも、その中の文章まで整理しすぎない」
というところにもAIが気づいてくる。
タイトルも、単なる感想ではなく「読者が何を得られるのか」を前へ出すようになりました。
記事の終わり方も、綺麗にまとめて終わるのではなく、そこから読者へ何を提案するのかへ戻すようになりました。
面白かったのは、単に文章が修正されただけではなく、
AIが「この人はどう書く人なのか」という理解そのものが変わっていったことです。
つまり、修正のやりとりによって、私の書き方のクセ、思考の仕方、
何を一番重視しているのか、どんな表現を避けて、どういう言い回しをするのか、
どんどん理解を深めていったことです。
私はAIがその都度、何に気づいたのかを言わせて確認しました。
AIに深く理解させるにはどうすればよいか?
まずAIから、「私はあなたを、こういう人だと理解しています」と返してもらう。
→本人が「そこは合っている」「いや、それは違う」と確認する。
→実際に仕事をさせて、また違和感を返す。
この繰り返しによって、文章の表面的なクセだけではなく、その人の考え方や感じ方までAIの理解へ入っていく。
MIRAという名前にMirrorのイメージを重ねているのも、実はこのあたりに理由があります。
AIに自分をコピーさせるというより、一度AIという鏡に自分を映してみる。
そこに映った「自分」を見ながら、違うところを直していく。
そうして初めて、このAIにどこまで仕事を任せてよいのかも、理屈だけではなく感覚的に分かってくると思うのです。それを何度も繰り返し、実証できました。
AIの種類によって、多少の偏りはありますがメジャーなChatGPT、Gemini、Claudeでは
どういうふうに自分を理解してくれるのかも掴めたと思います。
HACC、GPTsから、その先のMIRAへ
今年、「人機共創プロジェクト HACC」という商品を出しました。
AIへ全部任せるのではなく、人とAIが一緒に考えながら成果を作る。
そのための考え方や方法をまとめたものです。
その後はGPTsを使い、用途に合わせた専用AIを作る商品も提供してきました。
AIとどう共創するのか。さらに、自分の目的に合った専用AIをどう作るのか。
ここまでは私自身、商品として実際に取り組んできたことです。
でもAIはさらに先へ進み始めています。
そのAI進化に合わせ設計し、間もなく完成するのがMIRAです。
AIエージェントになると「次の仕事」まで進められる
ここで出てくるのが、最近よく聞くAIエージェントです。
AIエージェントというと、なんだか急に難しい話に聞こえるかもしれません。
でも考え方そのものは、それほど難しくありません。
これまでの生成AIは、基本的には質問すると答えてくれる存在でした。
人が指示を出し、その結果を見て「では次はこれ」とまた指示する。
仕事と仕事の間をつないでいたのは、人間です。
AIエージェントになると、そこが変わります。
「この仕事を完成させたい」という目的を渡すと、そのために必要な作業を進め、場合によってはToolも使い、次に何をするのかを判断しながら先へ進む。
例えばnoteの記事を作るだけでも、テーマを整理し、必要なら調べ、構成を考え、文章を書く。
その後には事実関係の確認もあれば、「これは本人らしい文章になっているのか?」という確認もあります。
これまでは、そのたびに人が「次はこれ」「今度はこれ」とAIへ指示していました。
MIRAでは、その“仕事をつなぐ部分”までAI側へ任せることが設計思想になっています。
正確に言うとMIRAは、AIエージェントそのものではなく、
AIエージェント的/エージェンティックな仕事の進め方を、既存の生成AI上で実現する仕組みです。
MIRAの「AIチーム」
MIRAの内部、まったく意識しない裏側にAIチームが存在します。
MIRAの正式な仮称はMy Intelligent Role Agentsです。
ここで「Role(ロール):役割」という言葉を入れているのには意味があります。
いくつものAIサービスを契約し、それぞれを別々に立ち上げる、
という意味でのAIチームではありません。
ひとつの仕事の中で、必要な役割=Roleを分ける。
あるときは調査を担当し、次は編集担当になる。
文章を書き、その後はチェックする側へ回る。
つまり、AI側が必要な役割を切り替えながら仕事を先へ進めるのです。
まずはChatGPTひとつの中でも、こうした役割分担は相当なレベルまで可能です。
生成AI自体がエージェント化の方向にあるためです。
それでも「この仕事だけは別のAIのほうが明らかに得意」
「ここだけは専用Toolへ渡したほうが早い」と判断したら、そのときだけバトンタッチする。
そして、こうした仕事の流れそのものをAIエージェント的に動かしていく。
これがMIRAで考えている「AIチーム」です。
そのAIチームを、利用される方が意識する必要はありません。
ここで少し補足しておくと、MIRAそのものを「特別なAIエージェントサービス」として作ろうとしているわけではありません。
今あるChatGPTやGemini、Claudeなどの生成AIを使いながら、人が毎回「次はこれ」と指示しなくても、目的に向かって必要な役割や作業をつないでいく。
つまり、普通の生成AIをよりエージェンティックに使う設計です。
AIエージェントそのものを難しく学ぶのではなく、その考え方のおいしいところを、できるだけ簡単な形で仕事に持ち込む。
つまり、AIエージェントを意識することなく、実態はそのように使うことで、
あなたのことを理解したAIが、あなた流に仕事を最後まで片付けてくれる、
そのようにご理解ください。
いくつもの有料AIを契約する必要はありません
ここまでの話で、それなら
「結局ChatGPTもGeminiもClaudeも、あれもこれも契約する必要があるんじゃないの?」
と思われたかもしれません。
その必要はありません。
例えばChatGPTひとつでも、調査、構成、文章作成、チェック、本人らしさの分析など、
ほとんどのところまで進められます。
まずは手元にあるAIひとつで、できるところまでやる。
それでも大半の方にとって十分な成果、効果をすぐに感じられると思います。
(使い始めて30分もあれば、私がそうであるようにきっと感動します!)
別のAIやToolを増やすのは、増やすことで本当に仕事が良くなる、
あるいは圧倒的に楽になる場合だけです。
たくさんのAIを使うこと自体には、何の価値もありません。
できるだけ少ないAIで、できるだけ簡単に、しかも成果まで持っていく。
MIRAでは、そこをかなり重視しています。
MIRAで、あなたの仕事はどう変わるのか?
ここが今回の商品で一番大事なポイントです。
先に言っておきますと、理屈抜きで超簡単に使え、即座に効果を確認できると思います。
新しいAIが出るたびに、
「今度はどれを使えばいい?」
「この仕事ならChatGPTなのか、Geminiなのか、それともClaudeなのか」と調べる。
プロンプトを考え、結果を見て、また次のプロンプトを考える。Toolが増えれば、その使い方も覚える。
AIを便利に使うつもりだったのに、気づけばAIを使うための仕事が増えている。
きっとこれが現実ですが、私はここを変えたい。
「AIを使う」より、「やりたい仕事」から始める
例えばnoteを書きたいなら、「noteを書きたい」と伝える。
テーマや材料を渡したら、MIRA側で必要な役割へ切り替えながら仕事を進める。
調べる必要があれば調べる。構成を考え、本人の考え方や感じ方まで踏まえて文章にする。
途中で「ここだけは本人に聞かないと分からない」となれば、そこだけ戻してくる。
人が確認したら、その続きをまた進める。
今日はnoteでも、明日はPDF教材かもしれません。
また顧客への提案資料を作りたい日もあれば、社内の企画資料かもしれない。
また人によってはブログ、メルマガ、販売ページ、動画、WordPressの修正という仕事もあるでしょう。
仕事が変われば、必要な役割も変わります。
仕事を変えるたびに、人がAIを選び直すのではない。
やりたい仕事を選べば、AIチームのほうが変わる。
そんな状態を目指しています。
あなたはAIチームがどう変わるかは知らなくても裏側で動きます。
これは、かなり大きな違いだと思っています。
人は「判断する仕事」へ戻れる
もちろん、人がいらなくなるわけではありません。
どんなAI、AIエージェントであれ、全部AI任せにするリスクは変わりません。
判断と責任は常に人間が負うものだからです。
☑️この文章は本当に自分の言葉なのか?
☑️この内容を顧客へ出して大丈夫なのか?
☑️自分は本当にこう考えているのか?
こういうところは人が判断する。
ここは理屈だけではなく、読んだときの違和感でわかります。
わずかでも違和感があれば、たぶんそこにはAIっぽさが残っていて、まだ自分の文章になっていない。
逆に、調べる、整理する、比較する、たたき台を作る、確認する、
といったところは、できるだけAIへ任せる。
AIに任せられる作業へ人間の時間を使うのを減らして、
人にしかできない判断へ時間を戻す。
これができれば、単なる時短以上の意味が出てくるはずです。
「一番優秀なAI」を追いかけ続けなくてもいい
もうひとつ、MIRAには裏側で大事な仕組みを持たせようとしています。
それがAIのBenchmarkです。
あなたはそのことを意識する必要すらありません。裏側のエンジンで動いているのです。
因みに「ChatGPTが1位、Geminiが2位」といったAIランキングを作りたいわけではありません。
何の仕事をさせるのかによって、優秀なAIは変わるはずだからです。
この仕事を完成させるには、この役割を誰に任せるのが一番いいのか。
そこを判断することです。もちろんAIが判断します。
ある仕事ならChatGPTひとつで十分かもしれない。
別の仕事では、ある工程だけ別のAIへ渡したほうがよいかもしれません。
新しいAIが登場しても、すべて乗り換える必要はありません。
今のチームより本当に優れているところがあれば、その役割だけ入れ替えればいい。
そうなれば、次々に登場するAIを追いかけ続けるのではなく、自分の仕事に合ったAIを選ぶ物差しを持てるようになります。
MIRAの提供時期
これは遠い未来の構想ではありません。
ここ最近、自分自身を人柱にしながら、MIRAの考え方を実際に動かしては修正することを繰り返しています。本人らしさをAIに分析させ、その分析を本人が確認する。記事を書かせ、「これは自分じゃない」ところを直す。もう一度書かせると、その違和感が減ってくる。
そんな実験を続けながら、ほぼ形が完成してきました。
今後、細かい修正と検証を続けリリース目標は2026年秋。
MIRAを実際に使ってもらえる形で提供したいと考えています。
MIRAは、AIの使い方を説明する教材ではありません。
AIにあなた自身の考え方、書き方、クセ、こだわり、避けることなどを理解させ、
その後「やりたい仕事」を伝え、その仕事に合ったAIチームと一緒に完成まで進める。
難しいAIエージェントの仕組みを最初から勉強したり、
たくさんの有料AIを契約したりする必要もない。
そして単に文章のクセを真似するのではなく、
自分の考え方や感じ方まで理解するAIたちに仕事を任せていく。
生成AIが登場してから、私たちはずっと「AIをどう使えばいいのか?」を考えてきました。
でも、そろそろそのあり方を定義すべき時期なのかもしれません。
AIをどう使うか、ではなく、
AIにどう仕事を進めてもらうか。
HACCで人とAIが一緒に仕事をすることを考え、GPTsでは目的に合った専用AIを作ってきました。
そして、その先にあるMIRA。
My Intelligent Role Agents。
自分を理解したAIたちが役割を持ち、仕事に合わせて動き出す。
あなたが今まで一度も体験したことのない、AIとの「未来」をお届けしたいと思います。
是非、楽しみにお待ちください!