台風19号

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日記

台風一過のまぶし過ぎる朝の憂鬱│ユヴァル・ノア・ハラリのホモ・デウスが予言する衝撃

2019年10月13日

2019.12.9追記

記事中のユヴァル・ノア・ハラリの主張について
引用元を追記しました。

台風19号が去った眩しい夜明けが嬉しくない・・・

このページのヘッダー画像は、2019年10月13日AM5:26、
日の出直前を千葉県JR柏駅の近くで撮影した写真です。

前日に静岡より上陸し、13日の朝早くには太平洋に抜けた
台風19号により半端でない暴風雨を経験しました。

ガラスが割れはしないかと、養生テープを買いに行ったら
案の定、すでにどこも売り切れ状態でした。

結局、家中の段ボールを探し出して
窓の内側に貼り付けて籠城しておりました。

この写真、というか風も穏やかで空気が澄んでいて
普段ならとっても気持ちいい朝のはずが
むしろ虚しさ、憂鬱を覚えたのは私だけではないと思います。

被害状況がニュースで次第に明らかになるにつれて
本当に言葉が出てきません。

今も隣接した野田市で利根川氾濫のおそれありと
緊急メールが飛び込んできたばかりです。

被害がまだ拡大していく状況にも
ただただ唖然とするばかりです。

今年は台風15号、台風19号と猛烈な勢いの暴風雨に見舞われ
心配なのはこれからも大型台風は増えるんじゃないかということです。

こういった大型台風が出現する原因には
地球温暖化による気候変動があると言われております。

世の中にはさまざまな見解があって、
数千年~数万年スパンで見るとむしろ地球は
人間の活動と関係なく寒くなっているのだと言う人もいます。

ただ私が生きてきたわずか数十年間の感触で言うと
やはり、何か異常な現象が度々起こるようになった、
異常気象が当たり前のように起こってきている、
というのが正直な実感です。

世界中で頻発するおかしな気候現象は
一体何なんだろうと、常々感じており
またそこに答が見つかったわけでもありません。

 

ユヴァル・ノア・ハラリのホモ・デウスを思い出し、読み返す。

すでに名著として世界的にも有名になった
ユヴァル・ノア・ハラリのホモ・デウスをふと思い出しました。

ユヴァル・ノア・ハラリは、1976年生まれのヘブライ大学教授・歴史学者です。

彼は、人類は今直面する3つの課題があると主張しています。

  • 核戦争を含む世界的な戦争
  • 地球温暖化などによる環境破壊
  • 破壊的な技術革新

の3つです。

前記3つは、2019年9月21日付け 朝日新聞朝刊 オピニオン&フォーラム
『AIが支配する世界』インタビューより引用

ホモ・デウスは一種の預言書だと思うのです。
AIとバイオテクノロジーの進歩が今後20年かそこらで
経済、政治の仕組み、私たちの暮らしを完全に変えるという内容です。

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ユヴァル・ノア・ハラリはまたこうも言っています。

環境汚染や地球温暖化や気候変動がこれほど話題になっているというのに、
まだほとんどの国は状況改善のために経済的犠牲を政治的犠牲も
本気で払おうとしない。

経済成長と生態系の安定の一方を選ばざるをえない時が来ると、
政治家やCEOや有権者はほぼ確実に成長を選ぶ。

だが二十一世紀には、悲劇的な結末を避けたければ、
態度を改めなければならないだろう。

※ホモ・デウス上巻P32より引用

 

この名著は、「人間至上主義」という私たちが疑問を感じることなく
当たり前と思っている概念を新しい言葉にして伝えています。

さらにもっと人間の本質に斬り込んでいきます。

私たちが経済成長と生態系の安定を天秤にかけたとき
なぜ成長を選ぶのでしょうか。

それは、私たちは常に幸福を求めるから。
そしてその幸福とは、実はたったひとつしかなく
体の中の快感がそれだということです。

そもそも人間の生化学系は、生存と繁栄を促す行動には
快感で報いる、と。

なるほど、そのものズバリを言い当ててますね。

しかしそこには問題があって、その快感が
束の間しか続かないということです。

だから私たちをその気にさせる生化学系は、
次から次へと追い求める販売戦略のようなものだということです。

 

大型台風の頻発が一種の気候変動であり、
これが私たちの飽くことの無い、他を犠牲にした
経済活動の追求によってもたらされてるならば・・・

私たちはこの先、一体どこに向かうのでしょうか。

 

メディアの通り一遍な記事にも憂鬱になりました。

例えば、10/13 朝日新聞デジタルには、
"台風19号、なぜ関東直撃?上陸までの「驚くべき経過」"
というタイトルで、

(中略)
なぜ関東地方を直撃したのか。

気象庁によると、太平洋高気圧が例年より強く張り出しており、
その縁を回るように北上した後、偏西風の影響で東に進路を変えたためという。

坪木さん(名古屋大教授:気象学)は「10月に上陸すること自体は過去にもある。
今回は関東で、過去最強クラスの台風だったことが特別だ」と語る。

こんなこと、単に「なぜ?」の表面をなぞっているに過ぎません。
誰でも知っている単なる気象の現象面を語っているに過ぎないと思うのです。

国内メディアや専門機関は、その現象の裏にある原因を
もっともっと深掘りし国民にアピールして欲しいと願ってます。

Yahooニュースで見つけた海外学者によるこちらの記事は
かなり説得力がありました。

スーパー台風19号が発生したワケ「強大なストームはもっと強大化し、もっと頻繁に起きる」米気象学者(飯塚真紀子) - エキスパート - Yahoo!ニュース
スーパー台風19号が発生したワケ「強大なストームはもっと強大化し、もっと頻繁に起きる」米気象学者(飯塚真紀子) - エキスパート - Yahoo!ニュース

 日本を襲った超大型の台風19号はアメリカでも大きく注目された。 なぜ、台風19号のような“スーパー台風”が生じたのか?急速に発達してスーパー台風に 台風19号で、特に注目されたのは、台風が急速に勢力

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台風19号は、急速に勢力を拡大したのか?
という重要な点を鋭く指摘しています。

アメリカ海洋大気庁国立環境情報センターの
気象学者ジェームズ・コッシン氏によると、
そのポイントは2つあるようです。

まず温暖化により、海面だけではなく、
深海も温められているために海洋熱が増えている。

これが近年、台風を急速に発達させているということです。
海洋熱が熱帯低気圧にとっては燃料のような役割を果たし、
燃料の増加により、発達する速度が早まっていると指摘しています。

次に、地球温暖化が熱帯低気圧の移動速度が減速化している
原因となっていると指摘。

熱帯低気圧の移動速度が世界的に見ても
太平洋西部では、20%と最も減速化している。

やばいですよね、我らが日本の位置する太平洋西部
が何ともっとも足が遅い台風になっていると。

スピードが遅く、長くそこに留まっているから
当然ながら被害は大きくなるのですが
これが温暖化によるものとなると
結局人為的な問題ということに行き着きそうです。

 

私たちは、今起こっている台風19号による惨状もまた
やがて忘れてしまう悲しい生化学系に支配された動物です。

気候変動の最大の問題は、一旦地球が持ちこたえられない
カタストロフィポイント(破局点)を超えたら
人の力ではもう元に戻せないことだと思います。

近未来SFのディザスター映画をポップコーン食べながら
映画館で興奮している場合じゃないかもしれません。
(私も大好きなジャンルなので・・・)

一体、私たちはどこに向かうのでしょうね。