AI strategy

AI時代に「システム思考」が必要になる理由|HACCが目指すAI共創とは

AIにできない仕事は「Uber Eatsのドライバー」でも終わらない

AIの浸透によって、どんどんリストラが加速する。
特に欧米でのメガテック企業を始め、その勢いが半端ない状況です。
(日本国内ではいつも遅れて、そういった現象が現れてきます)

今までは高度なホワイトカラー職でやっていた人が突然、朝の経営者からきたメールでガックリ。
本日終了のレイオフ通知です。

AI先進国アメリカでも今までそのレイオフ後に、仕方なく一時しのぎの仕事として、
Uber(ウーバー)やLyft(リフト)などライドシェアサービスのドライバーとして働くことが、
会社を辞めた人々の受け皿の一つとなっていました。

しかし今やその仕事も、AIに奪われ始めているようです。
サンフランシスコでは、自動運転AIによるタクシーなどに置き換わっていて、
もはやUberの仕事まで浸食しているのが実態です。

無人の自動運転車が、街を走るのみで人気が無い。
なんともシュールな時代に近づいている感じです。

アメリカで仕事している友人は、今やすべての仕事の前提条件として
AI活用が必須になっていて、とてもこなせないボリュームの仕事もAIありきで
組み立てられていると話してくれました。

「AIを使うか、使わないか」といった日本でののんびりムードと違って
「AIを使うか、それとも死ぬか」
といった覚悟で仕事しているそうです。

アメリカの文化的背景もあるかと思いますが、
会議でもおおかた7割くらいの出来の資料でOK、
正確性よりもスピード感がもっと重要という感覚です。

さて生成AIという目の前の話に進みましょう。
文章も画像もスライドも、驚くほど生成AI使えば簡単に作れる時代になりました。
今やこんなことは言うまでも、この記事をお読みの方なら常識でしょう。

しかし、AIを使えば使うほど感じるのが、
「それっぽいけれど、どこか浅い」「正しいように見えるが違和感がある」
というようなものに悩まされます。

実はこれは単なるAIの性能問題ではなく、
“AIのアウトプットをどう読み解くか”
という側の問題でもあります。

その読み解き方に触れたいと思います。

システム思考とは何か?

ここで登場するのがシステム思考(Systems Thinking)

システム思考とは、目の前で起きている出来事だけを見る、或いは反応するのではなく、
それが何に左右されているのかを見極める実践技術です。

出来事の背景にあるパターンや構造、
さらにその奥にあるメンタルモデル(価値観や思考のクセ)
まで遡って考える方法です。

もともとはソフトウェア開発で多く使われてきた考え方です。
例えば大きく複雑なソフトウェア開発を複数のチームで分担しているとしましょう。

それぞれのチームアウトプットを統合して、ようやく全体が機能する。
そのデバッグや評価を通じて、数え切れないバグが出てそれらを退治する。
そうしてやっとまともな製品に仕上がっていくという、一般的な流れを想像してみてください。

こういったなかでバグや問題の所在がどこにあるのか、
あるいは潰したはずの問題が繰り返し起こるのはなぜか?
といった議論では、チーム同士での非難、罵倒なども出てくることがあります。

技術的な諸問題を潰しているはずなのに、そういった問題が起こる、
繰り返される根っこには、組織的な文化、考え方、合理性の欠如、スキル不足など
そこには隠されているものが多々あるのです。

チーム同士の中だけではなく、個人の中でも葛藤や問題を抱えて
それが成果や進め方に影響を及ぼしているのです。

そこまで遡って、本質を探り当てて改善しないことには
結局は時間と労力ばかりかかって、良いものができない。

実はこれはAI時代にこそ重要になる考え方だと感じています。

AIが何度も似たようなアウトプットを返してくるとき、単
純に「もっと良いプロンプトを書こう」と考えるだけでは
根本解決にならないのです。

なぜそのアウトプットになるのか?
どんなパターンが繰り返されているのか?
その背景にはどんな構造があるのか?
自分自身はどんな思考のクセを持っているのか?

そこまで潜っていくことで初めて、AIを単に「使う」のではなく、
「AIと共創する」段階へ進めるようになります。

氷山モデルで考えるAI活用

システム思考では、よく「氷山モデル」という考え方が使われます。
水面上に見えているのは、AIが生成した文章、画像、動画、スライドなどの“出来事”です。

実際に出来事として見えているのはここだけ
AIの成果物を見てる状態です。

氷山の水面上にあるので見えているわけです。
そこから下は見えていないものばかり。

具体的に、その下には「パターン」があります。
AI特有の言い回し、似た構図、反応されやすい型、AIっぽさなどです。

生成AIでは種類やバージョンによっても異なります。
あなたの使っている生成AIは、あなたの反応を学習しており、またネットからも学習し、
毎度似たような返し方をしてきませんか?

さらにその下には「構造」があります。

パターンがあって、そのパターンの関連性を見ていくと
どのAIをどう使うのか、人がどこで検証するのか、
どこで価値へ転換するのが適切か、が読めるようになります。

そして最も深いところには「メンタルモデル」があります。
メンタルモデルとは、人の信念や価値観に根ざすもので、
パターンや構造を生む根源の理由でもあるのです。

パターンや構造がわかっても、結局はメンタルモデルを理解し改善しないと無駄。
そういう発想の仕方がシステム思考です。

そのメンタルモデルとは、あなた自身の思考のクセ、AIへの依存心の程度なども含まれます。
ここを改善することは実に難しいが、方法があるのです。

HACC(人機共創プロジェクト)では「AIを使う」の先を扱う

HACCにて、これまでのご購入者たちとのディスカッションなど通じて、
このシステム思考にフォーカスし具体的に追加教材としてお伝えすることにしました。

表面的なAIの使い方から決別して、AI共創のための根源的な方法論になります。
テーマが深く敬遠されがちなため、HACCへ最初から組み込むことは対象外としておりました。

ただ、受講者様のお話をじっくり聞いているうちに、
避けては通れないと考え直し、時間はかかることは覚悟でお伝えすることにしました。

以下の図は、HACC(人機共創プロジェクト)教材で追加した
「システム思考」の入り口です。

この図は、私がHACCにシステム思考を存分に採り入れて実現したいことの全体像です。
パッとできるだけ直感的にわかっていただくためポイントを絞っています。

この図をご覧になり質問等ありましたら、いつでも気軽にお問い合わせください。

HACC(Human-AI Co-Creation)は、単なるAI活用講座ではありません。

複数のAIを状況に応じて使い分けながら、
AIのアウトプットを検証し
人間の経験や判断を織り込み、
価値へ変換していく。

つまり、「AIを使う」ではなく、
「AIと共創してビジネスを生み出す」ことを目指しています。

普通にAIを使ってます、という方はかなりの割合で、
AIに使われていると言ってもおかしくないです。

使っているつもりが、逆に言いなりになってる状況です。
AIのアウトプットに疑いをもって考えない、判断をしないとAIの奴隷になります。
問題はそうなっていることに気づかないことです。

使われずに本当にうまく使うためにこそ、システム思考が重要になります。

厳密に言うと、AIのパターンや構造を理解する先にある、
メンタルモデルを理解することが最重要になります。

この話が敬遠されると思ってHACCのリリース時点では
織り込んでいませんでした。

これは自分自身を客観的に眺めること、になるのですが、
自分で自分の思考がどうなっているか離れて眺めることは難しいです。

普通に生きておればわかります(笑)
意識しないと流れも客観的に見えてきません。

例えば、AIのプロンプト作成に集中して疲れた瞬間に、
「あそこのラーメン食べに行くか」
と思ったとして、そういう自然に出てくる考えをただ見つめる。

なにをするではなく、自分の思考をただ見つめる。眺める。
まるで禅のような境地かもしれません。

いえ、実はこれ
離見の見(りけんのけん)
と一緒なのです。

「離見の見」とは、室町時代の世阿弥の言葉です。

世阿弥が『花鏡』のなかで説いた能楽の極意です。
自分の目線にとらわれず、観客の視点に立って
自分自身の姿や演技を客観的に見つめる(俯瞰する)意識や状態のことです。

だから難しいです。
でもここが少しでもできると、意味なく感情的になることも時々は防げます。
家族と喧嘩しそうになっても、なぜイライラするのか?
会社で間違いなく嫌な会議が待っている。なぜ嫌だなと感じるのか?
といったような己の感情に「気づく」ためです。

この気づきがすべて、目に見える出来事に遡り、
改善、飛躍していくための出発点になるのです。
まるで哲学のような話じゃないかと思われるかもしれません。
しかし、もともとは優れたソフトウェア開発の現場で発想された技術なのです。

AIのアウトプットをそのまま信じるのではなく、
その背後にある構造を見る。AIごとの特性や限界を理解し、
「AIにどこまで任せるべきか」「人がどこで介在するべきか」を判断する。

その積み重ねによって、単なるAI利用から脱却し、独自の価値創造へ繋がっていきます。

最後に

生成AIが進化するほど、実は人間側に求められるのは「思考する力」なのかもしれません。

表面的なアウトプットを見るだけで終わるのか。
その下にあるパターンや構造、そして究極の原因にあたるメンタルモデルまで見抜くのか。

その習慣的な違いが、AI時代における「使われる側」と
「価値を生み出す側」の分岐点になっていくように感じています。

なぜならシステム思考を駆使することにより、
AIの真実、限界、ウソ、過剰、過小などに
気づけるようになるし、自分自身が発想できなかったことも
逆にAIから得られることに気づけるためです。

なおHACCでは、もともとこうしたシステム思考をベースにしながら、
AIと共創してビジネスへ繋げる具体的な実践を扱っています。

今後のHACC追加コンテンツとして、明示的にシステム思考を採りあげ、
時間はかかりますが、AIや思考のプロの道を一緒に歩みたいと思います。

下矢印
人機共創プロジェクト HACC
人機共創プロジェクト HACC

AIを使うからAIと共創するへ。自分の強みを再発見し、商品化・収益化へつなげるHACC実践プログラム。

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