坂田智康

何を言わないか、という情報発信の意味と事例

2014年6月30日

言わないこと

この記事は、メルマガ読者様からお便りいただき、それに対してのかなり毒々しい真剣問答のご紹介です。

実は、読者様から今までに何度か問い合わせを受けその都度、個別にご返信していたのですが最近再び、同様の質問を別の方々からいただくにおよび、ここでもういいかげん公開回答すべきかと判断しました。

お問い合わせの代表例として、2つのテーマをとりあげます。

以下、少々長いですが、役に立つ方も中にはいらっしゃると思ったので・・・・
それでは、心構えよろしゅうございますか?

何を言わないか、という設定

最初に結論じみた話を書いてみます。

師匠(坂田智康)の教材なりに触れたことのある方なら
「何を言わないか」といった話題に対してピンと来た方も多いかもしれません。

これは私が学んだ貴重なノウハウのひとつです。

ネットを使って情報発信(ブログ、メルマガ、ネットショップ、facebookなどなんやらかんやら含めすべての発信)する際に
最も重要な項目のひとつが
『何を言わないか』ということでして、これ、
「何を言うか」以上にはるかに難しいです。

多くの方は、自分の思い、考え、主張をジャンル問わず、場を問わず、時を問わず好き放題に発信しています。

ただこれがもう間違いの始まりです。
ひとつひとつの発信メディアにおいて、自分というキャラを立て、あるいはジャンルを絞る意味がお分かりならば
好き放題に思うままに言いたいことを言うと、もうキャラは分解しはじめ、ジャンルもぼやけてなにもかもが薄まり、
あやふやになって結局のところ発信するコンテンツの価値が激減すること必至です。

受け止める側がわけがわからなくなるからですし、他に本当は価値のある情報までもが霧のかかったようになっていくものです。

こういった理解のもと、自分をコントロールしているつもりなので、ここで紹介しているブログ記事や私の異端メルマガでは
『何を言わない』かについて毎度すごく意識しています。

ここでは、アフィリエイターさんを始めネットでご自分の場を構築したい方、すでにしている方を前提に発信していますのでそれに関係の無い話は言わないようにしています。

それでもメールで何度も複数の方から、それ以外のことを聞かれその都度お答えしてきました。
今でもちょくちょくそういうお問い合わせを受け、自分の率直な気持ちをご返信するするには本心としては何の抵抗もありません。

ただ受け止める側はそうではないとも思っております。

ここでは、何度かお問い合わせを受け返事をした中で、ブログやメルマガで「言わなかった」事例を初めてお伝えします。

なお、この話は何度もしたくありませんので今回一回こっきりということでご容赦願います。

あえて話さない恋愛系の話題

恋愛絡みのことをときどき相談受けます。
男女それぞれ、半々といったところです。

なぜ相談受けるのかわかりませんが。。。おそらく私が”裏”とか”闇”とかいった話題にときどき触れるせいで、その方面でも詳しいのではないかと思われているように感じています。

・・・正直なところ、ど真ん中でないにしてもハズレでもありません(笑)

もうひとつは、私のような世代であればそういった話も気安くできるということもあるのかもしれません。

で、ここではひとつだけ話題をとりあげてみますね。

昨日、丸善(東京駅丸の内側出口に近いオアゾというビルで)にて立ち読みしてて、とても面白かった本がありました。

はあちゅうさんの「恋愛炎上主義。」という本です。

はあちゅうさんってご存知ですか?
かなりな有名ブロガーでして、だからして私も名前を知ってて、その名前のついた本だからふと手に取ってみたのです。

こんな本です。

http://knbtv.net/z/k90b
http://knbtv.net/z/k90b

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こりゃ鋭いな!と感心した一節がありまして・・・

以下の引用文で、素直になるほど~っと思えた方は恋愛コンサルや恋愛教材を作ると売れる素質があるということをKENBOが保証します(笑)

50歳以上の男性が若い女性を口説くときに一番気を付けなければいけないことはなんだと思いますか。
たぶん正解できる人は少ないだろうから教えます。
私たち女子は、意中の相手を見つけたときに胸元を適度に開けますが、
あなたが50歳以上の男性なら、ご自身の胸元は徹底的にガードして頂きたい。

胸元の皮膚って、たるんむんです。
筋肉のない50歳以上の男性は、かがむとさざ波のようなシワがお腹一面にできる。
女子みたいに胸という凹凸がない分、広い範囲がシワシワになる。
その皮膚が「おじいちゃんみたい」、「残りの人生が少ないように思えてしまう」とアラサー女子には不評です。』

こういった視点はほとんどの男性がもっていないはずです。
この鋭い視点、リアルな解説に思わず感動したくらいです。

何を言っているかわからないうちに次のテーマに移ります。

あえて話さない原発の話題

こちらの記事で(↓)、同時通訳者:長井鞠子さんがNHKの仕事の流儀に出て、フクシマの原発事故に関して、現地視察と今なお苦しむ被災者たちとコミュニケーションを計画する国際団体との同時通訳した話を書いてから、急増しました。

ネットの未来地図レポート│佐々木俊尚氏のキュレーションメルマガで気づき連鎖の爆発 - インフォレビュー(INFOREVIEW)
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ネットでやっていることの未来に不安は感じませんか。 記事がとても長くなりそうなので、まずは前座とさせていただきます。 この記事は、当ブログ管理人であるKENBO自身がおよそ1年半前にふと、ネットを通じ

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何がって、原発問題についての問い合わせです。

私は私なりに意見をもっていますが、これも『言わないこと』のひとつです。

なぜかって・・・
この話題が非常にデリケートな要素を含むことは誰しもが知っていることでして、風評被害のモトにもなれば、イデオロギーの問題にも通じます。

技術や事故の話が、こういった話題に発展することが明らかなのでお問い合わせに対するご返事もあいまいにしておりました。

それにどう考えても、私のブログに見合わない話ですし。

ただこの件でひとつだけお伝えすると、私自身は世間一般の方よりこの問題については詳しいです、100倍くらいは(笑)

なぜかというと、はるか昔ですけど大学受験の際、同じ工学部にあった電子工学か、原子力工学か迷ったのですが(原子力は当時花形でした)偏差値にびびって電子工学を選ばざるを得ませんでした。

家は貧乏でしたので、浪人も留年も認めずすべて入学以降は自分でバイトしながら生活するという親との約束で、偏差値やや低めでいけそうな電子工学にしました。

しかし魅力捨てがたく、在学中は原子力工学の講座に混じってひたすら勉強したくらいに、その方面の知識だけはあるのです。
悲しいというべきか、今まで役に立つことはありませんでしたが。。。ゆえに、2011のあの事故では目の前が真っ暗になりました。

一瞬でウツ状態になったくらいの衝撃でした。

忘れていたことを一気に思い出し、その後図書館などにも繰り出して1950年くらいからの古い記録なども調べておりました。
2011年はこのため、アフィリエイトなどの活動は停止状態でした。

これまでこの件でご質問いただいた方へも今まで回答においてひとことも触れておりません。
例えば次の2つのテーマは、現時点で世界のどこを見ても答が見つかっていない代表例ですが、それぞれに本が書けるくらい程度の知識はあります。

・核燃料サイクルの解がみつかっていないこと
・低線量放射線の長期的な影響(食物連鎖の頂点にある人類への影響)

ただ、こういったことを書き出すと、もういきなり沈んだ気持ちになり、暗くなりますよね。
ということで、ご質問いただいた方は、この辺でご容赦くださいませ。

言わないことは言うより難しい

生々しい『言わない事例』で申し訳ありませんでしたが・・・
お読みいただいたなら、なぜ言わないかを容易にご理解いただけるはずです。

ここまでの長い文章をお読みいただいているそれぞれの方がイメージされている『KENBO』というキャラ設定の焦点がぼけないように、『何を言わないか』に注意しているからです。

言わないことを制するには、自分なりの哲学がないとうまくいきません。自分を律する精神力が必要です。

ただ、言わないことを決めた上で発信されたコンテンツは無駄が削ぎ落され、鋭く、より本質に近づいたものとなります。
外れることも多いかもしれませんが、一部の人にとってはど真ん中にあたることもまぐれではなく、意図された結果として効果が現れてくるようになります。

このことさえご理解いただければ、ご自分のメディアに何を言わないか、について今までより気を配ることの重要性にお気づきになるのではないでしょうか。