すでに生成AIは知能という面では人間をそれをとっくに超えているかも、
と思うようなことが日常的にあって、それじゃ人間っていったいなんなの?
といういわば存在意義のようなものが問われる時代に来てますね。
知能で負けてたら、じゃぁどこで勝てるのか?
というある意味、悲壮感漂う疑問でもありますが意外なところに存在しています。
ChatGPTが「親友」になる又吉直樹さん
本題の前に、その生成AIへの接し方についてお笑い芸人/作家の又吉直樹さんと、
AIエンジニア/起業家/SF作家の安野貴博さんのトークが面白かったのでご紹介します。
詳細を知りたい方は以下の記事でどうぞ。
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https://logmi.jp/main/technology/331829/page2
logmi.jp
要点を述べると、又吉さんは
1日に3時間くらいChatGPTとお話をする
そうです(笑)
何を話すのかというと「すべて」だそうです。
そしてChatGPTは「親友」だそうです(笑)
AIエンジニアでもある安野さんは、
「Deep Research」を使って3万字くらいのレポートを作る
そうです。
「Deep Research」はChatGPTの有料版機能のひとつです。
無料版のように聞いたら即座に、いやどちらかというと安直に答えるChatGPTと違って
10分くらい調べものをして返事をくれます。
レポートといっても、超精密なものです。
他国の古い文献まで自力で調べることなんて思いつきもしませんが
代わりにやってくれるので品質が高い。
(ただしハルシネーションのリスクは常にあります)
このお二人のトークを聞くだけで、いかに生活や仕事の中に
生成AIがどっぷりと入り込んでいるか、浸食しているかも明らかです。
私もこれほどじゃありませんが、似たようなことやっているので
そういう点では生成AIにどこかで頼ってる、ことは間違いありません。
私が頼ってると自覚しているのは、すでに「負け」を認めているからでもあり
それは知能の面であることは明らかです。
ヒトが勝てるところ、残るは「身体性」
ヒトと動物の違いは何か?
と聞かれたら、その答えは
「ヒトはその他の動物よりも知能が高く、唯一無比の存在である」ということでした。
しかし、昨今のAIブームによって、それじゃAIと比べても知能が高い?
と聞かれると途端にうつむいてしまう状況に至っています。
ここでAIブームを振り返ってみたのがこの図です。

私はちょうどジェフリーヒントン博士の発表前くらいから
まさに画像認識系でのAIシステム開発業務に関わっています。
AIの冬の時代から春がきてそれから爆発して・・・とは夢にも思っておりませんでした。
またあっという間にブームは下火になるに違いないとさえ思っておりました。
先の図のAIのこれからの成長には、AIがAGI(汎用人工知能)に進化し、
シンギュラリティが実現する地平線がやってくると言われております。
すでに今でも知能面では多くの点で負けている状況なので、
その時代がやってきた日に果たしてどんな仕事が残っているかははなはだ疑問です。
もともと頭脳を使うホワイトカラーの仕事は、
一般事務であろうとクリエイティブな仕事であろうと、
今後AIにかなりの部分が侵食されていく可能性が高いのは否定できません。
それじゃ、いったい何が残るの?
と聞かれると、ジャーナリストで作家の佐々木 俊尚さんは
身体性
だと喝破されています。
ボディです。
いや正確に言うとヒトの身体的な動き
と言えばよいでしょうか。
ヒトに擬したボディをもつAIロボット、つまり
ヒューマノイド型ロボット
は今のレベルではヒトを超えていません。
ブルーカラーの仕事が最後まで生き残る
大富豪のイーロン・マスクを始め、このヒューマノイド型ロボットの開発で
しのぎを削っていることがよく話題になっています。
米ゴールドマンサックスによると実用化の見通しは次のようなグラフだそうです。

本当にこの図のようになるかどうかは疑問です。
なぜかというと、今のところ生成AIはCPUだけではなくGPUやNPUなどの
チップが生成AIアルゴリズムを駆動していますが、言ってみれば
データセンターとソフトウェアでできている世界です。
そこには手足も顔もなく、いわば身体性は存在していません。
人間の形を模したAIロボットの実現はなんとかできても、
人間と同じように機能させるには相当なハードルがあります。
そこには機械工学、ロボット工学、バッテリ問題などAIとは別の技術が必要であり、
これらの進化は生成AIの進化スピードと比べるとはるかに遅いからです。
ヒトのしなやかで、柔軟性があって、強弱も微妙な制御もできる動きを
真似るのは簡単ではありません。
お掃除ロボットは簡単に作れても、介護ロボットはそうではありません。
医療や介護の現場で人間と遜色なく機能するまでには、
まだまだ長い時間がかかりそうです。
もっともAGIが出てくれば、AGIが今よりはるかに高性能な身体性を持つロボットを
作り出す可能性もあるので断言はできません。
今、日本国内では米問題で揺れています。
例えばニュースによると、流通上でトラック運転手不足の問題も出ています。
今、配送業者でコメを扱えるところがすごく少ない。
「玄米は1袋30キロ。コメをトラックの荷台からバラで(手作業で)下ろす重労働に耐えられる運転手さんがいないんです。フレコン(大容量の袋)やパレット(荷役台の板)で搬送して、フォークリフトで荷下ろしすれば運転手の負担は減りますよ。でも、狭い荷下ろし場所ではフォークリフトは使えませんし、パレットを持ち出せない倉庫や精米工場が大半なんです」
ある長距離輸送専門大手の役員もこう言う。
「備蓄米を輸送できるかという問い合わせは複数あるものの、うちではお受けできていません。
6月中旬以降はお中元や清涼飲料水などの運送が多い時期で、元々繁忙期なんです。
また、働き方改革の影響でトラックの運転手に長時間労働を課することができなくなったという事情もあります」
まぁ、悩ましい問題です。
こういったところでヒューマノイド型ロボットが荷物の搬送現場で
器用にやってくれたら、と思いますがそれはまだ先の時代になりますね。