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「米」の高騰問題から流通と価格構造を図解してみた

2025年5月29日

小泉進次郎農林水産大臣が政府備蓄米について「随意契約」をぶちあげました。
何か風穴を開けたという気もしますが、消費者にとっても
生産者である農家にとってもリーズナブルな価格で落ち着いて欲しいものです。

米は日本人にとって主食ゆえに、価格と流通には誰もが気になるはずであり、
私は米の流通等にはまったく門外漢のド素人ですが、どうなっているのかを
自分なりに調べてみました。

素人ゆえに間違いがあるかもしれませんが、いろいろと調べてみたところ、
そもそもこうなっているのではなかろうか?
を図解してみました。

米の流通と価格構造を業界素人が図にしたらこうなった

で、この図はなにかというと:
これまで米価格が落ち着いていた時代にお米はいったい
いくらでどのように取引されていたのだろうか?
という素朴な質問をもとににしたものです。

農家(生産者)が米を作り、その米はいったいどこへ流れ、
いくらくらいで取引されているのだろうか?

を示したのが横軸で、モノ(米)とお金の流れを示しています。
縦軸はどことどこがいくらで取引をしているのかを示す商売の流れ。
ただ、いくつか前提としています。

    チャートの前提条件

    • 流通経路はあくまで一般的なものを想定(例外がいくつもあるので)
    • 矢印の実線は「米」の移動。移動先を黒で表示
    • 矢印の点線は「お金」の移動。その取引で売る側、買う側で+/-で増減を示す。
    • 中間業者にはJA以外もあるが、9割以上の売買を占めるので代表例として記載
    • 消費者が5kgあたり2000円から2500円くらいで購入を想定し、そこから逆算して取引価格をアバウトながら算出した。
    • 5kgの袋詰め前は「俵」(一俵=60kg)での取引を想定

    ということで前提を設けて図解しているのでご注意ください。

    例えば、「備蓄米」の随意契約でもニュースになったようにアイリスオーヤマ(小売り)は、
    精米工場を自前でもっています。こういうのは書き出すときりがありませんので。

    それであらためてチャート(図解)をご覧ください。

    価格構造をみると、小売り業者がなんだかんだで一番儲けて、
    その次は農家(生産者)?

    だったら最近話題になってるJAなんかの中間業者は全然儲かってないじゃん!?

    と思われたかもしれません。
    しかしこのチャートはあくまで「米」代金のみに絞って記載しており、
    そこに伴うさまざまなコストを省略しています。

    農家の米1俵あたりの実質手取り概算は?

    ここで農家(米生産者)と中間業者:JAとの関係に着目してみます。

    先ほどの図解は「米代金」のやりとりのみであり、隠れたコストがわかりません。
    以下の図は、農家がJAとの関係で負担する代表例です。

    お互いにメリットもあると思いますので良い悪いの判断はここではしません。


    この図は、農家がJAに支払う保管料、各種手数量、保証料、農機具リース料などが
    合計で米一俵換算にすると2000円~3000円はありそう。

    そして何より米そのものを作るための生産コストを1俵あたり6000円~8000円と想定しています。

    これらの数字はネット上で確認したレベルなので、どこまで正しいかは私も疑問ですが
    一応そういったコストを引くと、農家の実質手取り金額は:

    1俵(60kg)あたり約2000円の利益が出るかどうか

    といった結論に達しています。

    繰り返しになりますが、この計算は正しくないかもしれませんが
    平均的な生産者は決して大儲けをしているのではない
    という事実に突き当たりました。

    さて・・・

    このように図解を試みることによって、
    あなたから見て疑問がさらに湧いてくるなら
    図解した甲斐があったというものです。

    情報を整理すると、疑問が出てきて、それをまた解決するというサイクルが自然に生まれます。
    職場なんかではこういったビジュアル化資料が好循環を生むきっかけになります。

    例えば、なぜ備蓄米は「入札」制度なのに、JAが9割がた占めているのか?
    中間業者とはJA以外にどんな業者がいるのか?
    なぜ農家はJAと契約するのか?
    ・・・

    等々、素朴な疑問が湧いてきます。
    本ページはその回答を示すものではなく、
    米高騰前の流通、価格構造を私なりに図解したに過ぎません。

    ただ図解によって、議論しやすくなるのをご理解いただけますと幸いです。

    お知らせ:「はたらくパワポ」ご購入者へ

    本ページで示した図解は、パワポによるコミュニケーション技術をお伝えしている
    『はたらくパワポ』講座に通じています。

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    本ページで作成した図は中級レベルになりますが、
    ご購入者には『はたらくパワポメンバー専用サイト』にて
    ここでご紹介した話のはるかに重要で本質的なことをお伝えします。
    (2025.6月中に”追加教材”としてご提供します)

    重要で本質的なこととは、図解そのものではなく
    どのように考えれば伝わり、素早く作れるか?
    ということです。

    ビジネスの現場では、時間をかけずに素早く作ることが常に求められます。
    仕事を早く進めるには、なんらかの方針・意思決定も遅れるわけにはいきません。

    中級レベルなので実はコマゴマと小さなテクニック部分も解説しますが、
    思考プロセスがはるかに重要で、そこを理解できるとすぐに上達します。

    思考プロセスはプロのコンサルファームが長年にわたって蓄積した
    思考技術であり、それを真似ることで上達します。
    ゼロから考えるのではなく、テンプレートを覚えて当てはめるような感覚です。

    例えば本ページでご紹介した最初の図解(流通と価格構造のスライド)について、
    『随意契約』で備蓄米放出となったときに、どのように図を変えれば良いかも
    きっと一瞬でわかるようになります。

    『はたらくパワポ』のひとつの目標は、本ページでご紹介したような図解を
    限られた時間で(できれば1~2時間以内)作るスキルを身に付けていただくことです。

    そのスキルが備わってくると、
    『立場の異なる人に、メッセージを伝え、その人に動いてもらう』
    ということが今までよりもはるかに楽になります。

    誰かの意思決定のために費やす時間も減り、
    要するに無駄な仕事が減るのでストレスも減ってきます。
    きっとご自分の成長にも驚かれるに違いありません。