当ブログでは異色の話題となります。
雑談ですので、十分に暇な時にお読みいただければ幸いです。
最近ドはまりしたネトフリのあるドラマの話です。
今、全話を見終わってサバイバー・ロスに陥っております(笑)
タイトルにあるドラマのシーズン3まで全て観た(=計33エピソード)レビューですが、
単なる感想よりもこのドラマ視聴お勧めの理由を述べています。
といっても政治的な話ではありませんし、その話題は当ブログでは避けています。
ドラマ自体は当然ながら政治色プンプンですが、それを話したいのではありません、
世間の人々は、おそらく激動する昨今の世界情勢についていけず、
何がどうなっているのか、なぜそうなのか、
疑問が渦巻いているんじゃないかと推察しています。
私自身も正直なところ、いくら歴史を勉強したところでその点では素人です。
素人ではあっても、今の世界情勢の激しい変化は当然ながらも
ネットで活動している方々へもモロに影響しますのであえて書いてみました。
2020年前後から今に至るまで本当に激動続きだと感じています。
新型コロナウイルス、ロシアによるウクライナ侵攻、生成AIの登場と浸透、
イスラエルとイランの紛争、国内ではこれに比べて小さいが米騒動・・・
こういったネガティブな出来事は経済全体だけではなく
身の回りの物価や消費者マインドへの絶え間ない圧力という面で影響が出ます。
こういった影響を受けつつさらにネットでの既存モデルの稼ぎ方も、
生成AIの進化もあり、どんどんと淘汰され新しいものに置き換わっている
過渡期に入っている印象を受けます。
で、そういう動きは歴史的にも真っ先に「アメリカ」が先行し、
その影響が日本に押し寄せるという繰り返しでした。
私はサラリーマン時代はいくつかの製造業(コンピュータ関連)に関わっておりましたが、
アメリカが風邪をひくと必ず日本も風邪をひく、ということを実感しております。
さて「サバイバー: 宿命の大統領」は今、世界で「今」起きていることを
何年も前から予言しているようでもあり、それ以上の面白さがありました。
世界で一番忙しいと思われるアメリカ大統領職、またホワイトハウスという場を通して
世界はどう動いているのかを垣間見ることのできる素敵なドラマでした。
「サバイバー: 宿命の大統領」をザクっとまとめると
ドラマはWikiによるとアメリカで2016年9月21日からシーズン1がスタートしました。
(第1期トランプ政権が正式にスタートしたのは2017年1月20日です)
その後Netflixが独占し、2019年にシーズン3が完了。
原題は、「Designated Survivor(指定生存者)」
から来ています。
ウィキペディアによると指定生存者とは:
「指定生存者」とは、一般教書演説などの大統領による議会両院合同会議演説や大統領就任式など、
大統領・副大統領・閣僚などが一堂に集まる場合において、核攻撃・事故・テロなどでトップリーダーの多くが死亡あるいは職務執行不能になった場合に備えて、大統領や議会の職権を継承できる人物を「会場から離れた非公開の安全な場所」に待機させておく危機対策である。
とあります。
いやぁ、アメリカの政治システムは面白い!
ドラマでは、この「指定生存者」にあたる主人公は重要な人物というよりも
政治的思惑の働いた「ほとんど役に立たない」と判断された人が抜擢されました。
住宅都市開発長官であり、もうすぐ大統領に罷免される予定の主人公が「指定生存者」となっています。
こういった制度自体が日本にはありませんし、むしろ新鮮な印象を覚えました。
大統領に嫌われ間もなく離職する主人公トム・カークマン(キーファー・サザーランド)は、
指定生存者としてのんびりとビール飲みながら大統領の教書演説をテレビで観ていました。
キーファー・サザーランドといえば大ヒットした『24 -TWENTY FOUR-』において、
大統領を守る役が、今回は大統領役として魅力的な演技を見せてくれます。

「指定生存者」としてのんびりビール飲みながらテレビを観ていたところ、
一般教書演説の最中にアメリカ合衆国議会議事堂がテロリストにより爆破され、
1000人以上が死亡。大統領・副大統領以下、閣僚がほぼ全員死亡してしまいます。
あっという間の出来事でした。
このことでカークマンはいきなり、世界一の権力者に祭り上げられます。
テロや社会不安が一気に高まった最悪の状況で、抗いようもなくアメリカ大統領になってしまったのです。
そこから、怒涛の毎日が始まります。
目が離せないほどにハラハラドキドキの連続で、
物語がどんどん進んでいきます。
私もその流れに逆らえずシーズン3の最後まで観てしまいました。
おかげで、サバイバーロスに陥っています。
それくらい面白かったです。
世界一忙しい職務を通して、世界の複雑な問題を眺める
アメリカの根深い問題が垣間見えてきます。
というか目の前に突き付けられた気がするほどです。
誰かが権力を握ると、必ずそれを追い落とそうとする勢力が現れます。
韓国の宮廷ドラマ(トンイやイ・サンなど)を思い出してしまいます。
どの国でも似たようなものです。
ホワイトハウスにおいて陰湿に、しかし激烈に「常に」事件が起き
無党派であるカークマンはやがて大統領としての自覚をもちながら
解決に取り組んでいきます。
でもこれって、日本でもどんな組織でも何かしら
問題が起きてそれを潰しているわけですから似てますね。
カークマンの人柄と能力を信じる人が少しずつ増えてきます。
ところで個人的にこのドラマにはまった背景がありました。
私は1990年代を中心にサンノゼ市(カリフォルニア州)の
顧客対応でエンジニアとして3か月程度出張しては戻ってまた行ってを
繰り返しアパートを借りて生活をしておりました。
仕事のことはともかく、アメリカ西海岸エリアを中心に
休みの日はあちこちを旅していたことを今でもハッキリ覚えています。
サンフランシスコもいいけど、もっと田舎の海辺に行ってみたい。
そう思ってモントレー(太平洋岸のモントレー湾南端)でキラキラ輝く海を
眺めていると、ラッコが何頭か貝をおなかに乗せているおなじみのポーズを
生で見て感激しました。
人々は指をさしてにこやかに笑いながら眺めています。
サンフランシスコ・ベイエリアの北部に位置するナパバレーでは、
さまざまなワイナリー巡りで堪能しておりました。
この時代、アメリカに一時的でもアパートなんかに住んでみて
ずっと感じていたことがありました。
それは:
まるで大きな懐に包まれるような
アメリカという国の余裕、おおらかさ
でした。
スケールの違うそのゆとりにあこがれを感じたものです。
もっとも実際に生活している一般のアメリカ人の生活は
どうなのか正確にはわかりませんが、それでも日本より余裕という印象です。
当時から、
・移民問題
・男女差別
・人種差別
・宗教問題
も表に見えてこないだけで存在しているのは空気でわかります。
サンノゼにある支店では、どうみても仕事をまったくやっていない
というよりもその能力すらないようなアラブ系マネージャーがいました。
この人、なにもしてないのに高い給料もらっていい身分だな・・・
と当時は事情も知らずにそんな思いもあったのですが、
その人は同じ宗教、民族、人種につながる社員をまとめる、という
日本人には想像つかない役割だったのですが必要なんですね。
まぁそんなこんなでとにかく、アメリカは余裕だなぁ~
とバブル崩壊をまじかにしてせかせかと働く私たち日本人社員は
表面だけを見ていただけかもしれませんが羨ましかったです。
で、話を「サバイバー: 宿命の大統領」に戻すと先ほどの:
・移民問題
・男女差別
・人種差別
に加えて、
・パンデミック(番組制作時にはまだコロナはありません)
・テロ
・LBGT
などが大統領を引きずり下ろすネタとしてもガンガン出てきます。
これらは今、アメリカが直面している分断の象徴ともいえる問題ばかりです。
だからこそ元々の視聴者であるアメリカ市民は、当事者でもあり
人気があったのだろうとわかります。
同時に、かつて私が感じていたおおらかさではなく、
余裕を失っているアメリカの実情です。
今、世界で起きていることとそれに対するアメリカ。
リアルな現実を「サバイバー: 宿命の大統領」は見せてくれます。
同時にアメリカ本来の、人種の坩堝によって成り立っている
アメリカの強さも生き生きと感じられます。
政治的判断をどのように決めているのか、ドラマはその片鱗に過ぎませんが
私たち日本人の知らない姿を教えてくれます。
私が惹かれたのは、一瞬も止まらないドキドキ感もありますが、
過去に感じた郷愁との対比であり、アメリカのもつ本来のおおらかさへの
祈りに似た思いでもありました。